読書記録

読んだ本の感想まとめ。

ミステリー

ズッコケ三人組対怪盗X

ズッコケ三人組対怪盗X (ポプラ社文庫 Z 26 ズッコケ文庫)作者:那須 正幹ポプラ社Amazon三人組がXたちのアジトにたどり着くあたりまでは面白かったけど、警部たちと合流して空港に到着してからは面白さが失速してしまったような気がする。 那須先生の淡々と…

ズッコケ三人組の未来報告

ズッコケ三人組の未来報告 それいけズッコケ三人組 (ズッコケ文庫)作者:那須正幹ポプラ社Amazonハカセは中学のときに道を分かたれてしまったけれど、また三人組が揃ったことが嬉しい。ミスター・スパイダーの名が作中に登場したあたりで、タイムカプセル窃盗…

かがみの孤城 上

かがみの孤城 上 (ポプラ文庫)作者:辻村深月ポプラ社Amazon先に映画で診ていた作品を年単位で積んでいたのを、ようやく読了。 三学期の始業式に、城のみんなで学校に行く約束をしたところまでが上巻。 こころ以外の城のメンバーの背景は、まだ多くは語られな…

わたしは告白ができない。

わたしは告白ができない。 (角川文庫)作者:櫻 いいよKADOKAWAAmazon 第2章 わたしのメールは届かない。 犯罪ではないとはいえ、表層だけ見るとモラル違反な出来事の「もとの原因役」を買って出るとは、小夜子、お人好しとかいうレベルじゃない。 その影響が…

放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件

放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件作者:知念実希人ライツ社Amazon天馬は事件の真相を依頼者に明かさなかった。「いたずら」ではないからという理由だ。 しかし当事者たちなりにのっぴきならない理由があったからこそ、依頼者には真相究明の結果を…

ミステリと言う勿れ

not-mystery-movie.jp 長い。でも120分以上本編があるだけの価値はあると思う。 もしかして原作で一度読んでる? でも新鮮な気持ちで楽しめた。大長編の中で、ミステリーが二段構え(殺人未遂(仮)の謎と、連綿と続いてきた一族の謎)になっているのが、途中で…

レプリカだって、恋をする。2

レプリカだって、恋をする。2 (電撃文庫)作者:榛名丼KADOKAWAAmazon読書中は、これは恋の話だ(ただしヒロインは主人公ではない)とか、弱小文芸部の下克上物語だとか、いろいろ、いろいろ考えたけれど、今はひとつの結論に至っている。 これは、どこまで行っ…

名探偵のままでいて

名探偵のままでいて作者:小西マサテル宝島社Amazon一章~四章でハートフル日常系ミステリーだと油断していて、ラスト二章で脳天かち割られた感じ。 デュアルサスペンスも過去が紐解かれていく過程もストーカーの真相も面白かった、確かに面白かったけど、胸…

仮題・中学殺人事件

仮題・中学殺人事件【新装版】 (創元推理文庫)作者:辻 真先東京創元社Amazonどれが作中作で、どれが作品の中の現実なんだか分からなくなって目も思考もぐるぐる。 孤独な作家少年もヒロインちゃんも凄惨な飛行機事故も本当はなかった、フィクションだって思…

探偵部におまかせください!(2)

探偵部におまかせください!(2) (ポプラキミノベル ゆ 1-2)作者:雪宮 鉄馬ポプラ社Amazon 第4話 秘密の宝物は眠ったままで 不法侵入に買収に尾行に脅迫にオトリ、第4話が小中学生の教育に悪そうなシーンのオンパレードなんだけどいいのかこれ!? 上記に加えて…

探偵部におまかせください!(1)

探偵部におまかせください!(1) (ポプラキミノベル ゆ 1-1)作者:雪宮 鉄馬ポプラ社Amazon 第1話 美術室にカギをかけないで! 思いのほかしっかりした推理の組み立てと、複雑な真相が用意されていて楽しめた。ごめん、児童書だからって舐めてたかも。 しかも、…

11文字の檻: 青崎有吾短編集成

11文字の檻 青崎有吾短編集成 (創元推理文庫)作者:青崎 有吾東京創元社Amazon 加速してゆく 事故発生当時、私は小学校高学年で、悲惨な事故だと認識していたはずだが、あの頃の記憶がかなり風化していたことに打ちのめされた。 実際に起きた事故と創作が上…

本当はこわい話 かくされた真実、君は気づける?

本当はこわい話 かくされた真実、君は気づける? (角川つばさ文庫)作者:小林丸々KADOKAWAAmazon1~3分程度で読める、意味が分かると怖い話の掌編小説集。 小中学生向けなので、大人が読むと割とさくっと真相に辿り着くことも多い。 別に読解せずともサポートキ…

かがみの孤城

movies.shochiku.co.jp 映像がつくと物語のからくりには否応なしに中盤(ストロベリーティーのくだり)で気付かされるけど、それでもなおよかった。ただ、このトリックは小説の方が巧妙に隠しやすいと思うし、一次は小説で出会った方が幸せだったかもしれない。…

ある男 感想

movies.shochiku.co.jp 東宝系映画と違って分かりやすいオチがなかった分、ラストの余韻がすごかった。あのあと、彼は誰の名前を口にしたんだろうか。ミイラ取りがミイラになるとは、こういうことを言うんだろうか。 「いわゆる万人受けしそうな温かい描写」…

メゾン・ド・ポリス 退職刑事のシェアハウス

メゾン・ド・ポリス 退職刑事のシェアハウス (角川文庫)作者:加藤 実秋KADOKAWAAmazon 第一話 新人女子刑事VS. くせ者おじさん軍団 殺人事件、かと思いきや自殺のカモフラージュだったパターン。江戸川コナンが初めて毛利小五郎を装って解決した事件を思い出…

作家刑事毒島

作家刑事毒島 (幻冬舎文庫)作者:中山七里幻冬舎Amazon出版業界の闇にかなり打ちのめされたけど、著者曰くこれでも希釈されているらしい。 商業小説については私は一生読者側でいよう、という決意を固めさせてくれた良作。 一 ワナビの心理試験 どうしても京…

教室が、ひとりになるまで

教室が、ひとりになるまで (角川文庫)作者:浅倉 秋成KADOKAWAAmazonスクールカーストをテーマにした殺人小説といえば他に『スクールカースト殺人教室』があるけど、あれとはまた違うベクトルの醜悪さがある。 なにが醜悪かって、主人公は真犯人と同じ穴の狢…

美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星

美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星 (講談社タイガ)作者:西尾 維新講談社Amazon 十四歳になった最初の日、このようにわたしは、少しだけ誇らしく、少しだけ美しく、わたしの夢を諦めたのだった。 最後の一文が、この物語を簡潔にまとめていると思う。 …

マツリカ・マジョルカ

マツリカ・マジョルカ 「マツリカ」シリーズ (角川文庫)作者:相沢 沙呼KADOKAWAAmazon4話すべてを読み終えてみると、美女の耽美を描写するのがとてもお上手な作家さんだなと思う。マツリカさんと同性でも、鼓動が高鳴ってしまう。 別に成人指定のある作品で…

大当たりズッコケ占い百科

大当たりズッコケ占い百科 (ポプラ社文庫 A 252)作者:那須 正幹ポプラ社Amazon那須先生からのメッセージを読む限り、『ズッコケ恐怖体験』みたいにオカルト色の強い話なのかと思ったら、人間の悪意をこして煮詰めたような物語だった。 最終的に真犯人謝罪し…

ズッコケ三人組の推理教室

ズッコケ三人組の推理教室 (ポプラ社文庫)作者:那須 正幹ポプラ社Amazonミステリー好きとしては、納得のいかないラストだった。 でも児童小説としては、これがトゥルーエンドなのか?陽子は犯人を擁護する姿勢を見せたけど、加害者から罪を償わせる機会を奪…

六枚のとんかつ

六枚のとんかつ (講談社文庫)作者:蘇部健一講談社Amazon『オナニー連盟』はノベルス版ではあまりに下品だという理由でカットされたそうだけど、『消えた黒いドレスの女』も負けず劣らず下品だと私は思う。 バカミスとしては『桂男爵の舞踏会』、使われたとト…

サイレント・ヴォイス 〜行動心理捜査官・楯岡絵麻

サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫)作者:佐藤青南宝島社Amazon栗山千明主演のドラマ版から原作小説を知った。 第一話 YESか脳か 犯罪をより重い犯罪で覆い隠そうとした手口。犯人は、誘拐の方が殺人より刑がマシだと思ったんだ…

セーラー服と機関銃・その後――卒業――

セーラー服と機関銃・その後 ──卒業── (角川文庫)作者:赤川 次郎KADOKAWAAmazon 君には早く卒業してほしいんだ! これ以上君にいられたら、私はクビになる! 私が編集者なら、保科校長のこのセリフを煽り文にしたい。 しかし泉の卒業と入れ替わりにユリが入…

セーラー服と機関銃

セーラー服と機関銃 (角川文庫)作者:赤川 次郎KADOKAWAAmazon泉が山奥に誘拐されてからの展開は、80年代だからこそ公開できたような気がする。 近年発表だったら、太っちょの性癖について医療を始めいろんな業界から叩かれそう。 それに、社長室に乗り込んで…

青矢先輩と私の探偵部活動

青矢先輩と私の探偵部活動 (集英社文庫)作者:喜多 喜久集英社Amazon面白くて、普段の2倍のスピードで読んだ。 一番後味が悪い事件は「救済の毒草」、一番起伏に富んでいるのは「神の目の在り処」かな。 探偵部の新たな拠点が誕生したところを見るに、シリー…

ニャン氏の事件簿

ニャン氏の事件簿 (創元推理文庫)作者:松尾 由美東京創元社Amazon前半は、登場人物の印象も事件の印象も薄い。インパクトは皆無。 『海からの贈り物』あたりから、主人公の背景が紐解かれてきて、キャラクターに色が付いてきた。 ようやく面白くなってきた、…

ハサミ男

ハサミ男 (講談社文庫)作者:殊能将之講談社Amazonこの物語をハッピーエンドとは捉えたくない。警察は事件を半分しか解決していない。 確かに樽宮由紀子を殺害した犯人は暴かれたけど、被疑者死亡で遺族は1ミリも救われない。――そりゃあまあ、警視正殿に勘付…

葉桜の季節に君を想うということ

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)作者:歌野 晶午文藝春秋Amazon途中で視点が別人になったり、時間軸が過去へ飛んだり、混乱させられた理由が終盤でやっと分かった。 なるほど、これは確かに上質な叙述ミステリーだ。「補遺」が、読者に伏せられて…