読書記録

読んだ本の感想まとめ。

マツリカ・マジョルカ

4話すべてを読み終えてみると、美女の耽美を描写するのがとてもお上手な作家さんだなと思う。マツリカさんと同性でも、鼓動が高鳴ってしまう。
別に成人指定のある作品ではないけど、少なくとも小学生の教育にはよろしくない(笑) R12くらいか?

原始人 ランナウェイ

所々ヒロインの肢体、特に脚やスカートのプリーツに関して克明な描写が入るけど、主人公は脚フェチなのだろうか。
私も女の子の脚、好きだよ。

主人公は口頭会話より文章会話の方が得意な人間なんじゃないか。
私もそう。口頭だと語彙が貧弱になるし、説明も下手くそになる。
頭の回転がね、人より遅いんだよね。

マツリカさんの口から語られた原始人の推理が、想像を超えるしんどさ。
私だったら教室での視線やクラスメイトの囁きも屈辱だけど、後輩に語られ、自分の与り知らないところで受け継がれていくことの方が耐えられない。

紺野先生が教職の道に進むのを諦めるのは、主人公にとっては逃避なのか。私は、けじめだと思ったんだけど。

主人公、直接先生に確かめに行くのか。傷口に塩を塗り込むことにならないか心配。
言葉は悪いけど主人公もマツリカさんも完全に野次馬だから、下手に触れない方がいい気がする。

というか、ヒロインの推理をヒロインのベッドに寝転んで聞く状況。なにそれ。ちょっとその場所代わって。
ストロベリーの香りがする女子高生というのもなかなか蠱惑的。ヘアコロンとかボディスプレーか何かの香りですか?

幽鬼的 テレスコープ

今話の蠱惑的な描写は、胸が多かったね。主人公は脚フェチというより、単にマツリカさんの肢体フェチなのでは?

マツリカさんの推理が真相だとしたら、根岸先輩、レッドカード。私が女の子キャラ史上主義であることを差し引いても許せない。
異性への劣情を持つなら、自制心も持ち合わせた人間だけが、その気持ちを相手へ語る権利を有すると思う。

主人公は卑下しているけど、「いつか自分もやるかもしれない」という考えに至れる人間は、行動に移さないと思う。その考えこそが自制心だから。
主人公(主ヒロインが「お前」だの「犬」だのって呼ぶから、未だに本名が認識できない。申し訳ない)の気持ちは、まだ、恋じゃないけど、時間の問題かな。少なくとも小西さんよりは特別な存在に見えるよ。

子猫は何かの比喩表現かなあ。それともこの先のストーリーの伏線かなあ。上手く読解できなかった。
いずれにしろ、継続して登場してくれると嬉しい。

片眼幽霊のオチも大変よい。

いたずら ディスガイズ

今話は学校が舞台。疾走する主人公。青春の香りが濃厚でわくわくする。

gkbrの正式名称を出すのをやめろ!!!(虫全般無理人間)

小西さんのメイド姿はぜひとも途中に挿絵が欲しかった。そこは見せ場でしょう。

今更だけどマツリカさんはあれだね、サディストだね。
でも、「跪きなさい」はきっと半分冗談のつもりだったのではなかろうか。柴山くんに突っぱねられることを想定していたのでは? あれ? でもそうすると、「役立たずだった」という彼女の言葉と矛盾するのか?

彼女の推理中に、スカートの中を覗き込もうとしていた主人公はレッドカード。退場。最低。
これから自分の役立たずぶりを思い知らされることになるとも知らないで……(いやごめん、自分だったら自己否定で一週間は膝抱えるだろうけど)。
盗撮は犯罪、でも盗み見なら犯罪にはならないのか? でもセクハラ行為だよね?
それ以前に、主人公のために時間を割いて話してくれているマツリカさんへの侮辱だよね?
主人公は、今話の自分の無意味さもだが、ここに関しても猛省してほしい。するな。二度と。

私はね柴犬くん、彼女の口から語られた仮説よりも、君が「自分がなんにもしようとしないだけ。自分の方が、皆を遠ざけようとしているだけ」と自覚していたことの方が辛くて痛いよ。
自覚していながら、「手伝おうか?」の一言が言えなかったんだね。
でもこれは、過去のトラウマもあるし、もともとの気質もあるし、「言い出せなかったのが悪い」なんて断罪するのはあまりにも酷だ。
D組のハプニング解決のために疾走した、それこそが、彼なりのなけなしの、でも大事な一歩だったんだ。
それが200%裏目に出たんだもの、そりゃあ泣きたくもなる。

マツリカさんと柴犬くんの関係性的には、手の触れ合いは大きな変化だと思う。今どき小学生でも取るに足らないような触れ合いだけども。
パシリ? 下僕? なのに、彼女自身の分を自腹にさせないどころか、さりげなく奢ってあげるマツリカさん優しい。

今回のゲストキャラクターについては、マキとユーコの関係性が今後どうなるか心配。変な軋轢が生じないといいのだけど。

さよなら メランコリア

一番衝撃的な真相だった。真相に辿り着くためのヒントは、すでに3話目までで提示されていたのか。
急にやけに卒業や別れを強調してくると思ったら、真相に繋がっていたとは。
マツリカさんが窓枠に腰かけていたとき、主人公が血相を変えたのは姉の死の影響か。
彼は、大好きな姉をマツリカさんに重ねているのだろうか。

希死念慮を抱いたことのある人間としては、主人公の叫びは耳に痛い。
自殺志願者って、とても視野が狭くなってるから、自分の死後の周囲の反応なんて考える余裕はないし、「誰かに相談する」という選択肢を自ら塗り潰している状態なんだよね。死によってリセットするという選択肢しか見えてないんだよね。
でも主人公は、「なぜ言ってくれなかったのか」と故人を責める遺族もいる中で、最終的には「なぜ気付いてあげられなかったのか」と自分を責めるんだな……。

「祐希」と呼んだのは彼の脳内の姉だったのか、それともマツリカさんなのか。
マツリカさんが真相を見破っておきながら、一旦は降参宣言をしたのはなぜだろう。
柴犬くんの願いを聞いてみたかったから?
彼も、脳内では実に高校生らしい妄想を繰り広げておきながら、実際に触れたのは髪で、口にした願いは性癖とは無縁だった。彼らしいなと思う。

柴犬くんの命題が、そのままマツリカさんの延命の理由になったらいいなと思う。