2019-01-01から1年間の記事一覧
イン・ザ・プール (文春文庫)作者:奥田 英朗発売日: 2006/03/10メディア: 文庫 イン・ザ・プール 運動が大っ嫌いな人間からすると、依存対象が水泳なら健康にいいしコスパもいいしそのままでいいと思ったけど、さすがに軽犯罪に走らせたとなると考えものだわ…
給食のおにいさん (幻冬舎文庫)作者:遠藤 彩見発売日: 2013/10/10メディア: 文庫 春 スパイス 自校式給食室を公立小中学校で実施しているのはすごい。子供達の反応をほとんどリアルタイムで受け取ったり、調理の様子をガラス越しに見せたり、調理師と子供と…
水やりはいつも深夜だけど (角川文庫)作者:窪 美澄発売日: 2017/05/25メディア: 文庫 ちらめくポーチュラカ 子供を産んだ途端、女性は周囲に「○○くん/ちゃんのママ」としか認識されなくなるらしい。母親ではなかった頃には満たせていた承認欲求をブログに求…
住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち (講談社+α新書)作者:川口 マーン 惠美発売日: 2014/09/23メディア: 新書あえて日本優位の事柄ばかり切り取っているので、印象操作のきらいはある。タイトルと内容の齟齬については、天才編集者の仕業だそうなので、…
世界一豊かなスイスとそっくりな国ニッポン (講談社+α新書)作者:川口 マーン 惠美発売日: 2016/11/18メディア: 新書タイトルには齟齬がある。むしろ二国の違いが強調されている印象。スイスにアルプスの少女ハイジのイメージ程度しかない私のような人間が、…
ポケット版「のび太」という生きかた作者:横山泰行発売日: 2014/10/25メディア: 単行本普段自己啓発本を読まないせいかもしれないけど、自己啓発本としてはメッセージ性が弱いというか、抽象的すぎるというか、のび太というキャラクターを360度色々な角度か…
なぜ日本人は、一瞬でおつりの計算ができるのか作者:川口マーン惠美発売日: 2015/06/05メディア: Kindle版どんな教育方針でも、一長一短ある。小学4年生相当で人生の方向性を決められてしまう傾向にあるドイツの小学生も、一斉の就職を余儀なくされ、4年のう…
浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学 (講談社文庫)作者:青柳碧人発売日: 2012/10/18メディア: Kindle版 クレタ島・嘘つき迷宮 パラドックス。2さつめのn進法やルービックキューブよりは抵抗が薄くて、もちろん登場人物達より早く解ける…
浜村渚の計算ノ-ト 2さつめ ふしぎの国の期末テスト (講談社文庫)作者:青柳 碧人発売日: 2012/01/17メディア: 文庫 麗しのルイ嬢 ルイ嬢がビジネス戦略の天才すぎて呆然。この国に実在したら、間違いなく上位3%に位置する資産家。豊臣秀吉の縛り木法の話も曽…
みんなの「わがまま」入門作者:富永京子発売日: 2019/10/09メディア: Kindle版一章・二章は全ツイッタラーに読んでほしい良書。特に問題提起ツイートを鼻で笑うクソリプマンに。何かのニュース記事に対する意見を言ったり、バズっているツイートに引用RTをし…
最後のページをめくるまで作者:水生 大海発売日: 2019/07/17メディア: 単行本(ソフトカバー) 骨になったら 語り手が犯人の作品って、その人間がどれだけ常軌を逸した人物だとしても、犯罪が表沙汰になりませんようにと願ってしまう。そんな自分が少し怖い…
犯罪小説集 (角川文庫)作者:吉田 修一発売日: 2018/11/22メディア: 文庫前2話を読んだものの、どうにも肌が合わなくてやむなく中断。この本は推理……小説ではない? 青田Y字路 ラストに愛華ちゃん失踪当時の描写がある。明示はされていないものの、男は豪士と…
浜村渚の計算ノート (講談社文庫)作者:青柳 碧人発売日: 2011/06/15メディア: 文庫ここまで設定がぶっ飛んでいるといっそ清々しい。まあ、この表紙で本格ミステリーを期待する読者もそういないだろう。「悪魔との約束」が一番好きな話。÷0は解なし。学生時代…
高校事変 (角川文庫)作者:松岡 圭祐発売日: 2019/05/24メディア: Kindle版例えば国語の試験問題にこの作品が出題され、この作品の主題を本文中から抜き出せと言われたら、私は「欺瞞は政治家の基礎」と答えるだろう。一行目から最終行まで政治家達の腹の探り…
追想五断章 (集英社文庫)作者:米澤 穂信発売日: 2012/04/20メディア: 文庫物語のほとんどはミステリーにしては淡々としていて、五編の断章は懐古的で正直読みやすいとは言えず。でも最後に思いがけないご褒美が用意されている、そんな小説。一般的にミステリ…
国語、数学、理科、漂流 (文春文庫)作者:青柳 碧人発売日: 2019/07/10メディア: Kindle版 責めることは簡単で、許すことは難しい。難しいほうを選べるのは、それだけで価値のあることだ。 胸に突き刺さった文。社会の真理だと思う。勉強で得られる余裕が、大…
西川麻子は地理が好き。 (文春文庫)作者:青柳碧人発売日: 2014/12/12メディア: Kindle版「ナトロン湖畔に愛の像」が一番好きな話。さくさく読めるけど真相にインパクトがない事件ばかりだなと読み進めていったら、最後が爆弾だった。殺人を犯してからの彼は…
ウツボカズラの甘い息 (幻冬舎文庫)作者:柚月裕子発売日: 2018/10/09メディア: Kindle版叙述トリックと呼んでいいのかどうか悩む。中盤での文絵への事情聴取で、それまで信じていた文絵のプロフィールがひっくり返される。しかし文絵という語り手からすると…
さがしもの(新潮文庫)作者:角田 光代発売日: 2016/09/02メディア: Kindle版 旅する本 人生の歴史が深くなるたびに、本は色を変える。読むたびに新たな気付きがある。小学生の自分と成人した自分とでは物語の解釈がまるで違うのはもちろん、たったひと月空…
こわい物語 十代最後の日 (赤川次郎 ミステリーの小箱)作者:赤川次郎発売日: 2017/12/21メディア: 単行本 十代最後の日 主人公だけ蚊帳の外というか、この3年間はヒロインのエゴ以外の何物でもないわけだが、私は好き合っている男女への評価が尋常じゃないほ…
泣ける物語 命のダイヤル (赤川次郎 ミステリーの小箱)作者:赤川 次郎発売日: 2018/01/24メディア: 単行本 [間違えられた男]の明日 ドラマ化したら面白そう。誤認逮捕した上に殺人誘発を企てた刑事は、法律上何かの罪に問えないのだろうか。 命のダイヤル 親…
学校の物語 保健室の午後 (赤川次郎 ミステリーの小箱)作者:赤川 次郎発売日: 2018/02/01メディア: 単行本 学校、つぶれた? 犯人の後先考えない行動もどうかと思うけど、先生の慰めの言葉もちょっと軽すぎるね。小学校ってのは、足が遅かったり運動ができな…
謎解き物語 真夜中の電話 (赤川次郎 ミステリーの小箱)作者:赤川次郎発売日: 2017/12/05メディア: 単行本 [コレクター]になった日 父親がクソ。自分の罪の尻拭いのために娘を恐怖に陥れるとは、悪魔の所業。縁切ってよし。松永はいかにも常識人っぽく書かれ…
国語、数学、理科、誘拐 (文春文庫)作者:青柳 碧人発売日: 2016/03/10メディア: 文庫悪人がいないミステリー。昔は「教壇に立つ人はどんなことにでも詳しいマルチな人」と思っていたけど、今は何かひとつのジャンルだけ発達した人の方が好きだな。特長を捉え…
自由の物語 洪水の前 (赤川次郎 ミステリーの小箱)作者:赤川 次郎発売日: 2018/03/01メディア: 単行本これ図書館では児童書に分類されているけどいいのか? およそ救いのない話な上に、愛人や自殺者が登場するけどいいのか? 行政がいいって言うならいいけど…
儚い羊たちの祝宴(新潮文庫)作者:米澤 穂信発売日: 2014/11/28メディア: Kindle版バベルの会がどんな集団なのか、初読で理解するのは難しい。きっと読書を重ねるごとに旨味が増してくる作品なのだと思う。バベルの会は、縁のない者達からは上流階級の遊戯…
Another エピソード S作者:綾辻 行人発売日: 2014/12/20メディア: 単行本本編との雰囲気の違いに驚いたし戸惑った。推理小説……とは大分趣が違う。 想くんのあれを、心の病気みたいに捉えて、専門家が分析して型に収めるのって、不毛だと思う。それをして、納…
ニセ科学を10倍楽しむ本 (ちくま文庫)作者:山本 弘発売日: 2015/04/08メディア: 文庫架空のキャラクターにニセ科学信者と批判者という役柄が与えられていて、信者の言い分を確実に否定してくれるので勉強になるし、単純に爽快。空想科学読本みたいにシリーズ…
Another (下) Another (角川文庫)作者:綾辻 行人発売日: 2012/09/01メディア: Kindle版ホラーとミステリーの両立を謳っている良作。公立中学校で副担任が配置されるなんて手厚いなあ、と思っていたらそこが謎の突破口だった。違和感は抱けても踏み…
Another (上) Another (角川文庫)作者:綾辻 行人発売日: 2012/09/01メディア: Kindle版想像以上にホラー濃度が濃かった。最終的に非科学的な結論に着地するのか、あくまでもリアリティが追求されるのか、先が読めない。上巻だけではなんとも感想が…