読書記録

読んだ本の感想まとめ。

浜村渚の計算ノート

浜村渚の計算ノート (講談社文庫)

浜村渚の計算ノート (講談社文庫)

ここまで設定がぶっ飛んでいるといっそ清々しい。まあ、この表紙で本格ミステリーを期待する読者もそういないだろう。

「悪魔との約束」が一番好きな話。÷0は解なし。学生時代はそういうものなのかと受動的に覚えたけど、瀬島刑事のリンゴの例えが人生で一番腑に落ちた。数学者が最も畏怖する数字は0なのかもしれない。犯人が狂気を爆発させた時、「0で割っちゃ、ダメです」と言って止めたヒロインが格好よすぎて惚れる。同じ台詞を刑事が吐いても、凶行は止まらなかっただろう。

数学への好感度−9999を-9900くらいに変えてくれる本。