前2話を読んだものの、どうにも肌が合わなくてやむなく中断。この本は推理……小説ではない？
青田Y字路
ラストに愛華ちゃん失踪当時の描写がある。明示はされていないものの、男は豪士と考えていいのだろう。結局、この事件に関しては豪士が真犯人なのだろうか？ 被疑者死亡で終わりなのだろうか？ 愛華ちゃんの生死も不明だし、祖父や紡ちゃん達の心の動きもぶつ切りな感じがして、なんとも消化不良で終わってしまった。これはいわゆるリドルストーリーなのだろうか？ だとしても、長編で読みたかった。
曼珠姫午睡
官能小説の香りが強い。痴情の縺れの末の殺人の当事者と同級生だったというだけの主婦が回想に浸ったり、夢を見たりする。それだけと言ってしまえばそれだけ。
この話に現在進行系のゆう子は一度も登場しない。つまり、事件は微塵も進行しないのである。それが私には苦痛だったし、中年女性の、恋人や伴侶以外との官能が描かれているのも無理だった。曼珠沙華が官能の象徴として書かれているのには唸ったが。どこに謎が隠されているのか分からなかった。このゆう子という女性自体が謎だったということ？
