読書記録

読んだ本の感想まとめ。

ビアンカ・オーバースタディ

Amazonでの評価は高いようだけど、私にとっては正直怪奇小説でしかなかった。
この作品をSF小説と捉える教養は、私にはなかった。
終盤で未来人が、こんな未来になった原因についてちょろっと語っていたけど、性描写と巨大カマキリと巨大カエルの印象が強すぎて霞んだ。
まあ、科学と資本主義経済が車の両輪である、という例えは上手いと思ったが。でも霞んだ。

というか、女が男のブツを慰めるシーンがあるならあらすじで予告しておいてほしかった。
表紙は完全にライトノベルなのに、うっかり中高生が手に取って性描写に触れてしまったらどうするんだ。

イラストがライトノベルど真ん中な絵柄なだけに、文章とのギャップが凄まじい。人選を誤っていると思う。

ヤクザのブツがナイフで切り取られるシーンが物理的に痛い。
前半は男性の方が喜びそうな性描写が仕込まれているのに、中盤では翻って男性読者の睾丸を蹴り上げるかのような恐ろしい展開。女の私にはその痛みを言語化することはできない。

あと塩崎が物語の序盤から終盤まで気持ち悪い。
ロッサちゃんに零した言葉やら、詩で綴られる魂胆やら、ビアンカとの受精卵を盗み出した行為やら。生理的に無理。
ここまで女にとって忌避すべき男性キャラクター、珍しい気がする。