読書記録

読んだ本の感想まとめ。

家族

彼女が生きてる世界線!(3)失われた生存ルートを求めて

彼女が生きてる世界線!(3)失われた生存ルートを求めて (ポプラキミノベル)作者:中田永一ポプラ社Amazonまずは、彼女が生きてる世界線を実現させた「転生アクト」に最大の敬意を。 そして、骨髄を提供した「葉山トオル」へ最大の謝辞を。 なにより、これ…

ロボット・イン・ザ・ガーデン

ロボット・イン・ザ・ガーデン ロボット・イン・ザ・シリーズ (小学館文庫)作者:デボラ・インストール小学館Amazon 二宮和也が主演していたSF映画の原作小説。長いこと積ん読していたけど、やっと読了できた。 個人的には二部構成の感覚。ベンとタングが長旅…

ミステリと言う勿れ

not-mystery-movie.jp 長い。でも120分以上本編があるだけの価値はあると思う。 もしかして原作で一度読んでる? でも新鮮な気持ちで楽しめた。大長編の中で、ミステリーが二段構え(殺人未遂(仮)の謎と、連綿と続いてきた一族の謎)になっているのが、途中で…

推し、燃ゆ

推し、燃ゆ (河出文庫)作者:宇佐見りん河出書房新社Amazonこの世に実在していて、人を殴って婚約して芸能界を引退する推しと、ライフラインを切り崩しているアイドルオタク。 何もかも私の感覚とは違いすぎて、共感できるところがほとんどない。 推しのいな…

レプリカだって、恋をする。2

レプリカだって、恋をする。2 (電撃文庫)作者:榛名丼KADOKAWAAmazon読書中は、これは恋の話だ(ただしヒロインは主人公ではない)とか、弱小文芸部の下克上物語だとか、いろいろ、いろいろ考えたけれど、今はひとつの結論に至っている。 これは、どこまで行っ…

アリスとテレスのまぼろし工場

アリスとテレスのまぼろし工場 (角川文庫)作者:岡田 麿里KADOKAWAAmazonこの手のセカイ系の物語ってネタバレなしで感想を語るの無理なんだけど、期待値を上回る面白さだった!! 今日は朝からTwitterに閲覧制限がかかっていたせいで今すべての気力と物欲が逃…

ズッコケ結婚相談所

ズッコケ結婚相談所 (ポプラ社文庫)作者:那須 正幹ポプラ社Amazonこれを児童書とは呼べない。呼びたくない。離婚、再婚、夫婦関係と親子関係、血縁……このテーマ、ご両親のもとで円満に育てられた小学生は持て余すと思う。少なくとも当時の私はそうだった。 …

通い猫アルフィーの奇跡

通い猫アルフィーの奇跡 (ハーパーBOOKS:【通い猫アルフィー】シリーズ第1弾)作者:レイチェル ウェルズハーパーコリンズ・ ジャパンAmazon2年半前の積み本をようやく消化した。万人受けする大団円。 アルフィーが野良猫としてボロボロの姿で放浪するシーンや…

ハサミ男

ハサミ男 (講談社文庫)作者:殊能将之講談社Amazonこの物語をハッピーエンドとは捉えたくない。警察は事件を半分しか解決していない。 確かに樽宮由紀子を殺害した犯人は暴かれたけど、被疑者死亡で遺族は1ミリも救われない。――そりゃあまあ、警視正殿に勘付…

葉桜と魔笛

葉桜と魔笛 (立東舎 乙女の本棚)作者:太宰 治,紗久楽 さわ,最果 タヒ発売日: 2016/12/19メディア: 単行本絵柄が、乙女の本棚シリーズの中で一番好き。姉妹の麗しさが伝わってくる。 妹のために手紙と歌をこしらえ、口笛まで吹こうとした姉の気持ちが胸を打つ…

春は馬車に乗って

春は馬車に乗って (立東舎 乙女の本棚)作者:横光 利一,いとうあつき発売日: 2021/04/16メディア: 単行本タイトル・表紙と作品冒頭とで、受ける印象が違いすぎる。 ラストでタイトルと繋がったときは、胸に迫るものがあった。前半では、夫と妻の価値観がどこ…

ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常

ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延発売日: 2013/02/25メディア: Kindle版 第一話 アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』(ハヤカワNV文庫) 読書が好きなら、人の感想を横取りして自作発言…

約束の猫

約束の猫 (立東舎)作者:村山 早紀,げみ発売日: 2020/11/19メディア: 単行本 七日間のスノウ 約束の猫 (立東舎) / 村山 早紀,げみ #読書メーター 『七日間のスノウ』村山早紀先生っていったらコンビニたそがれ堂をはじめとした優しくて満場一致ハッピーエンド…

罪の声

罪の声 (講談社文庫)作者:塩田武士発売日: 2019/05/15メディア: Kindle版6章まで展開が緻密で、読了に1ヶ月近くかかってしまったけど、読んでよかった。 映画は映画、小説は小説で楽しめた。現実に起こったグリコ・森永事件の参考文献も読んでみようと思う。…

瓶詰地獄

瓶詰地獄 (立東舎 乙女の本棚)作者:夢野 久作,ホノジロトヲジ発売日: 2017/12/13メディア: 単行本すごい。言葉が読者の脳みそを愛撫してくる。 私にこの手の文才があれば、こういう暗喩のR作品を書き散らしたい。漂流して無人島? に二人きりという特殊な状…

雨の日も、晴れ男

雨の日も、晴れ男作者:水野敬也発売日: 2013/04/25メディア: Kindle版 死んでしまったらそれで終わりだよ。何も戻ってこないんだよ。今日、おじさんは全部をなくしちゃったかもしれないけど、でも生きていればきっといいこともあると思うよ。 希死念慮を抱い…

カラフル

カラフル作者:森 絵都メディア: 単行本売春する女子中学生と不倫する母親が登場するけど、ティーンズが読んでいいやつなの、これ? と思ったけど私も小学生の頃から東野圭吾とか読んでたわ。私はうつ病患者で、希死念慮を抱いたことがあるので真の自殺を糾弾…

世界から守ってくれる世界

世界から守ってくれる世界作者:塚本 はつ歌発売日: 2020/10/14メディア: 単行本(ソフトカバー)家族の在り方、虐待、性別の自己認識、思春期の葛藤……どっしり重いテーマが絡み合っているのに読了後は爽快感すら感じさせる、不思議な小説。ジャンルとしては…

呪殺島の殺人

呪殺島の殺人 (新潮文庫)作者:萩原 麻里発売日: 2020/05/28メディア: 文庫私は探偵役と共に推理する能力はないので、この小説がミステリーとして読者にフェアだったかどうかは判断がつかない。どちらかというとトリックや犯行の過程より、事件が起きた背景や…

スイッチを押すとき

スイッチを押すとき (角川文庫)作者:山田 悠介発売日: 2008/10/25メディア: 文庫章の名前的に、実験対象の子供達4人全員死ぬんだろうなって思ってたらエピローグで大どんでん返し。カウント0章の記述と矛盾するのでは? と思って読み返したけど、矛盾してな…

時生

時生 (講談社文庫)作者:東野 圭吾発売日: 2005/08/12メディア: 文庫500ページ以上の大作。物語自体のボリュームもさることながら、フォントサイズが大きめなのでページ数が嵩んだのだろう。文字をもっと詰めてもいいから、450ページくらいに収めてくれたらも…

若草物語2 夢のお城

若草物語2 夢のお城 (講談社青い鳥文庫)作者:ルイザ・メイ・オルコット,藤田 香発売日: 2010/06/01メディア: 文庫表紙がネタバレしかない笑 ベスの遺影は彼女の死を示しているし、メグとジョンの間に二人の子供がいることも、ローリーがジョーではなく末っ子…

レンタルロボット

レンタルロボット (ジュニア文学館)作者:滝井幸代発売日: 2011/09/07メディア: 単行本(ソフトカバー)初っ端から作品タイトルを全否定することになるのだけど、「ツトム」は本当にロボットだったのか、あの店でレンタルされているのは本当にロボットなのか…

若草物語(1) 仲よし四姉妹

若草物語(1) 仲よし四姉妹 (講談社青い鳥文庫)作者:オルコット,ルイザ.メイ.発売日: 2018/11/07メディア: Kindle版純文学を読み始めたつもりだったのに、読み終えていたのは上質な恋愛小説だった。「ローリーのいたずらとジョーのとりなし」「マーチお…

乙霧村の七人

乙霧村の七人作者:伊岡 瞬発売日: 2014/12/20メディア: 単行本推理小説というよりは、ある事件の犯人とその遺族の人間性を深掘りしていく物語。第一部は逃避行、第二部はインタビュー形式で進む。私は馬鹿なので、叙述トリックやどんでん返しを使われると、…

真壁家の相続

真壁家の相続 (双葉文庫)作者:朱野 帰子発売日: 2019/10/10メディア: 文庫相続って、法的な殴り合いだとつくづく思う。「我が家は揉めない」って思ってる親族ほど揉めるし、弁護士引っ張ってくる気がする。我が家も弁護士雇って殴り合った末に絶縁状態になっ…

万引き家族

万引き家族【映画小説化作品】 (宝島社文庫)作者:是枝 裕和発売日: 2019/04/04メディア: 文庫成人するまでどんな家庭環境で生きてきたかで、この物語の印象が180度変わりそう。自分は、家族の絆だとか互助だとかをテーマにした本を意識的に読まないようにし…

リボンの男

リボンの男作者:ナオコーラ, 山崎発売日: 2019/12/11メディア: 単行本バランスの良い夫婦が描かれている。 でも、小さい世界へ向かうことでも人間は成長するならば、その方向を示す大人だっていた方がいい。 俯瞰して全体を見渡すことが苦手な人間なので、下…

我が家の問題

我が家の問題 (集英社文庫)作者:奥田 英朗発売日: 2014/06/25メディア: 文庫 甘い生活? 仕事帰りに硬派な喫茶店で珈琲を啜りつつ、文庫本を読む。なんて贅沢な一人時間だろう。新婚夫婦にこそ、誰の視線も気にしない一人の時間が必要。子供の教育方針は、私…

家日和

家日和 (集英社文庫)作者:奥田 英朗発売日: 2010/05/20メディア: 文庫 サニーデイ 夫のコレクションを勝手に捨てて、夫から生気が消えたことを不思議がっている妻はたまにネット上で見かけるけど……この主人公は踏みとどまってくれて本当によかった。伴侶とは…