ミスター・スパイダーの名が作中に登場したあたりで、タイムカプセル窃盗の真相の記憶が蘇った。
「彼」とお母さんの対話が作中で明示されていないのがいい。
未来はどうなるか分からない。決して明確な未来を思い描いて疾走していたわけじゃない。でも、決断を繰り返してここまできた。思えば遠くまできたものだ。
有名人の宿泊情報や部屋への希望をホテルの従業員が社外の人間に漏らすのは、インシデントのど真ん中なので胃が痛い。コンプライアンス意識が世の中になかった時代の作品だから、仕方ないか。
スペースロックは、現代で言うところのボーカロイドを彷彿とさせる。那須先生は予言者なのだろうか。
ホテルマンになってフランス人の奥さんを作って地元に戻ってきて、フランス語ペラペラのモーちゃんが、三人組の中では一番衝撃だよ!
33歳の独身男性が結婚をせっつかれているのも、両親の面倒は長子が見るべきという価値観にも、時代性を感じる。
仮に三人組が1999年の花山第二小学校卒業生だとすると、「未来」の西暦は2019年……。ひえっ。もう過去の年になってる。
33歳でおばあさんなんて言わないで! とんでもねえことだ!
小学校時代に書いた卒業文集を朗読させられるなんて、ちっとも面白くないけどなあ。絶対に読みたくないし、なんなら法に触れない手段でこの世から抹消したい。