読書記録

読んだ本の感想まとめ。

ズッコケ恐怖体験

怪奇を単なる怪奇で終わらせないのが、解説にもある通り子供騙しをよしとしない那須先生ならではの手腕。

限界集落の幽霊話を伝説たらしめているのは、その土地の人間の秘密主義と、時代を越えて伝えられる時の事実の歪曲だと思った。

小学生時代の私は、素直におたかさんの霊を怖がったのかもしれない。
しかし大人になった私が読み直してみると、幽霊より、何の罪もない人間に悪事を擦りつけた長者と、物的証拠なしにおたかさんを拷問した役人の方が化け物だと思う。
社会的に害なので、絶対に生まれ変わらないでほしい。