那須先生の淡々とした文体(いつものズッコケシリーズでは好きだが)と、犯罪者の捕物帖はあまり相性がよくないのかな。個人的に、あまり臨場感が感じられなかった。
今回一番かっこよく見えたのはモーちゃん。
ハチベエやハカセとはぐれながらも、追跡術と運を駆使して同じ結論にたどり着いたのはお見事。
ラストが警視庁からの手紙で締めくくられることで、「怪盗Xは再び警察の手をすり抜けた」という事実を暗喩で読者に伝えている。巧い。
1998年(平成10年)当時は、警察組織の地域を跨いだ連携は手紙が普通だったのかそうか……。「拝復」なんて自分では使ったことがない。