読書記録

読んだ本の感想まとめ。

青矢先輩と私の探偵部活動

面白くて、普段の2倍のスピードで読んだ。
一番後味が悪い事件は「救済の毒草」、一番起伏に富んでいるのは「神の目の在り処」かな。
探偵部の新たな拠点が誕生したところを見るに、シリーズ化に期待してもいいってことだよね?
個人的には、いずれ美玖の両親の馴れ初め番外編が読みたい。

第一話 探偵部の復活

日没後の人気のない公園に呼び出されてのこのこ出掛けていく時点で、探偵以前に女の子として危機意識がなさすぎる。
いや、男だとしてもリンチやカツアゲの可能性に思い至ってほしい。
これから主人公の危機管理能力が成長していくことを信じたい。

不法侵入を急き立て、最終的に刃物まで持ち出した先輩への学校側の処分まで書かれていたら完璧だった。

青矢先輩はチートキャラすぎる。実は雷が怖いとか、野菜全般食べられないとか、何かしら弱点がないと納得できない。

第二話 夜の未確認飛行物体

ドローンで盗撮とはね。警察も、技術が進むにつれて増えるバカどもにいち早く対応しなきゃならなくて、お疲れさまとしか言えない。

青矢さんは、真相を突き止めるという大義名分のためなら、追及時の違法行為は厭わないってか。根性が公安警察向きだよ!

第三話 救済の毒草

タイトルが皮肉というか、結果的に被害者にとって救済にはなっていない。はっきり言って、学級崩壊一歩手前。
被害者はクラスの問題解決に向けて邁進すると決めたようだが、そう上手くいくとは思えない。消化不良な感じ。いつかこのクラスのその後が語られることはあるのだろうか。

容疑者があっという間に一人に絞られたから、これは真犯人が用意した罠だと気付きはした。でも真犯人Xの正体は、探偵部へ依頼してきた折原さんくらいしか思いつかなかった。だから真相には驚かされたし、虚しくなった。
そこまで行動力があるなら、教職を去ればいいのにって安易に考えてしまうのは、私の中に教え導こうという欲求がひとかけらもないからだろうか。

問題解決を目指すことを誓ったのは、本当に本音? 欺瞞が混じってないか? 教師としてのプライドという脆いものが、彼女を無理やり突き動かしているんじゃないか?

ラストの主人公と青矢さんの会話は、今後のフラグじゃないことを祈る。

第四話 神の目の在り処

首謀者と問題を買った10人に、然るべき処分が下されてよかった。まだ中学生だと金を稼ぐ手段がなくて困るのはよく分かるけど、選んだリスクに対して報酬(15万円相当のPC)が安すぎると思った。
副部長の野田が1ヶ月以上も機器を取り外さなかったのは、過信以外のなにものでもない。何事にもリスクヘッジが取れない人間はダメだ。

今回の処分、高校受験に確実に響くだろうなあ。いくら成績優秀な生徒でも、不正を働いて金を得た人間を入学させたい高校なんてないよね。

生前の親の、知らなかった一面を知る機会があるのは羨ましい。親としての一面しか知らないから、まだ親ではなかった頃のエピソードを聞かされたら、不思議な気持ちになると思う。

第五話 円環の暗号

ミクオの正体がバレなくてほっとしたし、探偵部の新しい拠点が誕生してワクワクしている。

青矢さんはあくまで2人の関係を探偵と助手に当てはめようとするけど、放置されていたビルの一室をリフォームするほど手間をかけて美玖と会う場所を確保したところを見るに、とっくに探偵と助手の領域を越えてきているのでは?
私が男女カプおばさんだから、捉え方が偏向的なだけかな? でも、いずれは美玖の両親と同じ道を辿ると思うんだよな。