読書記録

読んだ本の感想まとめ。

小説

ズッコケ山岳救助隊

ズッコケ山岳救助隊 それいけズッコケ三人組 (ズッコケ文庫)作者:那須正幹ポプラ社Amazon遭難中に救助が必要な人に出くわして、その人が犯罪者であると気付いた場合、さっさとその場から立ち去る(自分が助かってからその人の救助を要請する)のは咎められるよ…

大当たりズッコケ占い百科

大当たりズッコケ占い百科 (ポプラ社文庫 A 252)作者:那須 正幹ポプラ社Amazon那須先生からのメッセージを読む限り、『ズッコケ恐怖体験』みたいにオカルト色の強い話なのかと思ったら、人間の悪意をこして煮詰めたような物語だった。 最終的に真犯人謝罪し…

ズッコケ三人組の推理教室

ズッコケ三人組の推理教室 (ポプラ社文庫)作者:那須 正幹ポプラ社Amazonミステリー好きとしては、納得のいかないラストだった。 でも児童小説としては、これがトゥルーエンドなのか?陽子は犯人を擁護する姿勢を見せたけど、加害者から罪を償わせる機会を奪…

謎のズッコケ海賊島

謎のズッコケ海賊島 (ポプラ社文庫)作者:那須 正幹ポプラ社Amazon20億円の宝物を拾得すると、税金で8億円(4割)持っていかれる……。 美術品だと国のものになり、国からかなり値切られる可能性が高い……。 世知辛い現実に頭痛がするよ。 きっとトレジャーハンタ…

ズッコケ文化祭事件

ズッコケ文化祭事件 (ポプラ社文庫)作者:那須 正幹ポプラ社Amazonこの作品は、賛否両論がバッサリ分かれると思う。 小学生時代の私は、十中八九六年一組側(&宅和先生)の味方だったはずだが、趣味とはいえ小説を書く今の私は、童話作家への同情を禁じ得ない…

ランチのアッコちゃん

ランチのアッコちゃん (双葉文庫)作者:柚木麻子双葉社Amazon ランチのアッコちゃん 主人公が元気になったのは喜ばしいことだけど、昼休憩は社内で静かに済ませる派の私としては、息が詰まる一週間だった。 ジョギングをするのも、神保町まで遠出するのも、会…

安達としまむら

安達としまむら (電撃文庫)作者:入間 人間KADOKAWAAmazon 制服ピンポン 百合に限りなく近い友情ものだと思って読み始めたら、まだ一巻一話だからなのか、知り合い以上友達未満の不安定な間柄だった。 これからゆるやかに百合になっていくのだろうか。 ブロマ…

ズッコケ恐怖体験

ズッコケ恐怖体験 それいけズッコケ三人組 (ズッコケ文庫)作者:那須正幹ポプラ社Amazon怪奇を単なる怪奇で終わらせないのが、解説にもある通り子供騙しをよしとしない那須先生ならではの手腕。限界集落の幽霊話を伝説たらしめているのは、その土地の人間の秘…

うわさのズッコケ株式会社

うわさのズッコケ株式会社 それいけズッコケ三人組 (ズッコケ文庫)作者:那須正幹ポプラ社Amazon子供の頃に読んだ面白さのまんまだった。 株式会社の仕組みや儲けを出す仕組みの大枠が、物語を読み進めるにつれて形を成していくのがすごい。 三人組は島田先生…

六枚のとんかつ

六枚のとんかつ (講談社文庫)作者:蘇部健一講談社Amazon『オナニー連盟』はノベルス版ではあまりに下品だという理由でカットされたそうだけど、『消えた黒いドレスの女』も負けず劣らず下品だと私は思う。 バカミスとしては『桂男爵の舞踏会』、使われたとト…

スーパーカブ

スーパーカブ【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)作者:トネ・コーケン,博KADOKAWAAmazon私はスーパーカブの知識はほとんどないし、バイク好きでもなんでもない。 でも主人公がカブをきっかけに世界の解像度を高め、礼子との友情を深めていく過程を読むのが…

ズッコケ宇宙大旅行

ズッコケ宇宙大旅行 それいけズッコケ三人組 (ズッコケ文庫)作者:那須正幹ポプラ社Amazon巻末の調査結果のセンスが好き。子供心には小難しいのだけど、 三人組のgkbr大群との敵対は接触計画の一部だった 接触対象を力のある指導者などではなく、少し能力の劣…

サイレント・ヴォイス 〜行動心理捜査官・楯岡絵麻

サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫)作者:佐藤青南宝島社Amazon栗山千明主演のドラマ版から原作小説を知った。 第一話 YESか脳か 犯罪をより重い犯罪で覆い隠そうとした手口。犯人は、誘拐の方が殺人より刑がマシだと思ったんだ…

怪盗クイーンの優雅な休暇

怪盗クイーンの優雅な休暇 (講談社青い鳥文庫)作者:はやみねかおる講談社Amazonひょっとしてクイーンとジョーカーの関係は、いわゆるブロマンスというやつなのでは? クイーンが老婆に敵意を向けるシーンあたりは、特にそう感じた。単なる友情では片付けられ…

怪盗クイーンはサーカスがお好き

怪盗クイーンはサーカスがお好き (講談社青い鳥文庫)作者:はやみねかおる講談社Amazon最近アニメ化するとTwitterのTLで話題になっていたのと、Kindle Unlimitedの対象本になっていたので、気になって読んでみた。 いや、え、めっちゃ面白いな。特に後半、ラ…

夏への扉

夏への扉〔新版〕 (ハヤカワ文庫SF)作者:ロバート A ハインライン早川書房Amazon以下の4つの理由から、個人的には期待外れの作品だった。 タイムパラドックス的な面白さが欠落している 主人公の成人男性が、10歳かそこらの少女を庇護対象ではなく恋愛対象と…

セーラー服と機関銃・その後――卒業――

セーラー服と機関銃・その後 ──卒業── (角川文庫)作者:赤川 次郎KADOKAWAAmazon 君には早く卒業してほしいんだ! これ以上君にいられたら、私はクビになる! 私が編集者なら、保科校長のこのセリフを煽り文にしたい。 しかし泉の卒業と入れ替わりにユリが入…

セーラー服と機関銃

セーラー服と機関銃 (角川文庫)作者:赤川 次郎KADOKAWAAmazon泉が山奥に誘拐されてからの展開は、80年代だからこそ公開できたような気がする。 近年発表だったら、太っちょの性癖について医療を始めいろんな業界から叩かれそう。 それに、社長室に乗り込んで…

青矢先輩と私の探偵部活動

青矢先輩と私の探偵部活動 (集英社文庫)作者:喜多 喜久集英社Amazon面白くて、普段の2倍のスピードで読んだ。 一番後味が悪い事件は「救済の毒草」、一番起伏に富んでいるのは「神の目の在り処」かな。 探偵部の新たな拠点が誕生したところを見るに、シリー…

ニャン氏の事件簿

ニャン氏の事件簿 (創元推理文庫)作者:松尾 由美東京創元社Amazon前半は、登場人物の印象も事件の印象も薄い。インパクトは皆無。 『海からの贈り物』あたりから、主人公の背景が紐解かれてきて、キャラクターに色が付いてきた。 ようやく面白くなってきた、…

ハサミ男

ハサミ男 (講談社文庫)作者:殊能将之講談社Amazonこの物語をハッピーエンドとは捉えたくない。警察は事件を半分しか解決していない。 確かに樽宮由紀子を殺害した犯人は暴かれたけど、被疑者死亡で遺族は1ミリも救われない。――そりゃあまあ、警視正殿に勘付…

葉桜の季節に君を想うということ

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)作者:歌野 晶午文藝春秋Amazon途中で視点が別人になったり、時間軸が過去へ飛んだり、混乱させられた理由が終盤でやっと分かった。 なるほど、これは確かに上質な叙述ミステリーだ。「補遺」が、読者に伏せられて…

セカンド・ラブ

セカンド・ラブ (文春文庫)作者:乾 くるみ文藝春秋Amazon『イニシエーション・ラブ』と同じく女が男を弄ぶ系の作品だと思いながら読み始めて、主人公の正体に驚かされた。やられた。 冒頭の結婚披露宴のシーンと矛盾するのでは? と思って読み直したけど、矛…

魔女学校の一年生―ミルドレッドの魔女学校〈1〉

魔女学校の一年生―ミルドレッドの魔女学校〈1〉 (児童図書館・文学の部屋)作者:ジル マーフィ評論社Amazon主人公が生徒たちや先生方の信頼を獲得するまでがスピーディー。 満場一致のハッピーエンドだから、児童書としては分かりやすいか。 冒頭は独りぼっち…

春は馬車に乗って

春は馬車に乗って (立東舎 乙女の本棚)作者:横光 利一,いとうあつき発売日: 2021/04/16メディア: 単行本タイトル・表紙と作品冒頭とで、受ける印象が違いすぎる。 ラストでタイトルと繋がったときは、胸に迫るものがあった。前半では、夫と妻の価値観がどこ…

イニシエーション・ラブ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)作者:乾 くるみ発売日: 2012/09/20メディア: Kindle版劇場版公開当時に映画館で観て、読者に故意に伏せられていた真実は知っていた。 原作を読み終えた今、小説から触れればよかったと後悔を噛みしめている。叙述トリック…

ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常

ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延発売日: 2013/02/25メディア: Kindle版 第一話 アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』(ハヤカワNV文庫) 読書が好きなら、人の感想を横取りして自作発言…

約束の猫

約束の猫 (立東舎)作者:村山 早紀,げみ発売日: 2020/11/19メディア: 単行本 七日間のスノウ 約束の猫 (立東舎) / 村山 早紀,げみ #読書メーター 『七日間のスノウ』村山早紀先生っていったらコンビニたそがれ堂をはじめとした優しくて満場一致ハッピーエンド…

ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~

ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延発売日: 2013/02/25メディア: Kindle版7~8年ぶりくらいの再読。当時は感想を残す癖がなかったので、展開をほぼ忘れていた。なので初読のつもりで読んだ。 第一話…

罪の声

罪の声 (講談社文庫)作者:塩田武士発売日: 2019/05/15メディア: Kindle版6章まで展開が緻密で、読了に1ヶ月近くかかってしまったけど、読んでよかった。 映画は映画、小説は小説で楽しめた。現実に起こったグリコ・森永事件の参考文献も読んでみようと思う。…