読書記録

読んだ本の感想まとめ。

イニシエーション・ラブ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

劇場版公開当時に映画館で観て、読者に故意に伏せられていた真実は知っていた。
原作を読み終えた今、小説から触れればよかったと後悔を噛みしめている。叙述トリックは絶対小説の方が面白いと思う。

この作品の99%は無味乾燥な恋愛の始まりと終焉が描かれていて、退屈な読書時間がずっと続くんだけど、ラスト1ページでちゃぶ台返しされる感じ。
ラスト1ページのためだけに私はこの本を手に取った。これについては後悔していない。

繭子はそのマルチタスク能力を、恋愛じゃなく仕事や趣味で活かした方がよかった。
別に男側に同情してるわけじゃない。でもあなたのその恋愛におけるマルチタスクのせいで、この世に生まれてくることすら許されなかった命があった。
堕胎のすべてを罪だとは思わないけど、あなたは確かに我が子を殺したのだ。それだけは一生忘れてはいけない。