読書記録

読んだ本の感想まとめ。

怪盗クイーンはサーカスがお好き

最近アニメ化するとTwitterのTLで話題になっていたのと、Kindle Unlimitedの対象本になっていたので、気になって読んでみた。
いや、え、めっちゃ面白いな。特に後半、ライオンが檻から逃げ出したあたりから怒涛の面白さだった。
この本に小学生時代に出会えなかったことをちょっと後悔すらしている。発売が2002年ってお前、世代ど真ん中じゃねーか。

ところどころ過去の出来事に触れられているけど、これシリーズの1巻のはずだよね? ひょっとして他のシリーズのスピンオフ?
どういう順番でシリーズを読むのが正解ですか、教えてはやみねかおるファン。

中盤の変装チェックの、西園寺記者の回答には不審を抱いていたのに、そこが変装を見破るとっかかりだとは黒田が指摘するまで気付かなかった。
後半ずっと主人公が不在じゃねーか! って思ってた。というより、岩清水刑事の正体がクイーンじゃないかとずっと疑ってたし、ジョーカーだと発覚してからは黒田かもしれないと思ってた(笑)(コナンの劇場版漆黒で、黒田管理官がアイリッシュの変装であったことが影響してると思う(笑))
どんなにミステリーを読み漁っても私はミステリーマニアにはなれないな、と改めて思った。脱出ゲームとか謎解きイベントを人生でできる限り避けてきたけど、正解だとつくづく思う。

これはバカの言い訳だけど、自己暗示によって扮している本人すら人格を誤解しているんなら、小説の読者としては見破りようがなくない?
シャモン斉藤とクイーン扮する西園寺記者が入れ替わったのは、さすがに察しがついたけど、これを小学生時代に読んでいたら気付けなかったと思う。

軽業師の救出劇は、文字情報だけだとどうしても臨場感に欠ける。絶対映像で見た方が映えると思う。

前半でクイーンの日常が綴られているときは、怪盗キッドを思い出した。そしたらあとがきでも触れられていた。
江戸川コナン怪盗キッドの邂逅より、怪盗クイーンの方が後発なのか?
怪盗クイーンと怪盗キッドの共通点は、彼らなりにプライドを持って盗みを働いているところだと感じる。
芯が一本通っているから、今回サーカス団を助けたり、鑑定士の詐欺を暴いたりしてもまったく嫌味がない。
きっとこうして、クイーン一味に救われる人間はこれからもたくさんいるんだろう。

政情が不安定やからって、気安う他国が介入せんほうがええ。なにかを助けるっちゅうのは、思とるより、むずかしいことやで。それに、思てるほど、助けられるほうは哀れな存在やない。それをまちがうと、いらんおせっかいになってまう。

これは本当に児童書か? 私が小学生だったら読解できない。

以下はちょっと批判的な感想。

自分がおるおかげでこの国が成り立ってる、くらいの気持ちでおらんとな。

むり! そんなに自己肯定できない。これは健康で立派に働いている労働者だからこその思考では?
だって非正規労働者障害者手帳持ってて自立支援医療で医療費0にしてもらってる精神疾患者(私)なんて、国庫的にはどう考えてもお荷物じゃん。いない方がいいに決まってるじゃん。これは被害妄想じゃなく、冷静な思考のつもりだ。