読書記録

読んだ本の感想まとめ。

竜とそばかすの姫 感想

ryu-to-sobakasu-no-hime.jp
※ネタバレしかない
社会的弱者の救済ってそんなに簡単じゃないだろって気持ちと、アニメーション美しいなって気持ちが喧嘩している。
監督は、この作品を救済の物語として描いたんだろうか。すずが東京まで迎えに行ったことが、2人にとって救済になっているのだろうか。

自分の中で無理やり点数をつけるなら、こんな感じだろうか。
恋愛描写 +70点
竜の正体を突き止めてからの展開 -50点
アニメーションと音楽の美しさ +120点
懐が許すなら、アニメーションと音楽のためにもう一度観に行くのはアリかな?

現実で虐待を受けた経験のある人、もしくは毒親を持つ人がこの作品を観たら、かなり辛口評価になるんじゃないかな。
衣食住の権利を握っている成人と未成年を引き剥がすって、言うほど簡単なことじゃないと思う。
すずが東京に飛んで、あの雨の一時は救われただろうけど、あのあと児童相談所は動いたのだろうか。そこは消費者側の想像にお任せしますってことなのかな。
でも虐待要素を作品にぶっこむなら、児相が動くまで描いてほしかったというのが正直なところ。きれいなところで切っちゃったか~みたいな。
現実の事件として、児相の手が届かずに命を落としてしまった子のニュースなんかもあったし……。大丈夫かなこの作品、糾弾の的にならないかな。

竜の居住地が日本国内でよかった。いやでも高知と東京は遠い。
ヒロインを殴った父親は傷害罪で訴えよう。この人、Uの世界ではベルを糾弾した正義の執行人な気がする。
未成年の保護者という立場を免許制にしたらいいと思う。
そんなことをしたら、少子化が加速するのかな。でもこれ以上才能や未来を抑圧される子供が出てほしくない。

恋愛要素としてはかなり好き! 特にルカちゃんとカミシンのシーンは甘酸っぱくて眼福でした。
スズと竜はいつか恋仲になるのかな。もうなってる?
幼馴染としてはしのぶとの関係も捨て難い。しのぶがいい男すぎて何??? 逆に男衆の中から浮いているが?
もし彼がすずのことを密かに想っていて、自分とすずとの関係を破壊し得る男の救済に手を貸したんだとしたら、あまりにも人間ができすぎている。人生二周目ですか?