読書記録

読んだ本の感想まとめ。

怪盗クイーンの優雅な休暇

ひょっとしてクイーンとジョーカーの関係は、いわゆるブロマンスというやつなのでは?
クイーンが老婆に敵意を向けるシーンあたりは、特にそう感じた。単なる友情では片付けられない。
2人の過去になにがあったのか気になる。
ジョーカーがクイーンの「友人だよ」という言葉を否定しない日は来るのだろうか。

クイーンが初楼の強敵たちをバッタバッタと倒していく展開は痛快。
緋仔の母親と相対したときくらいは、もうちょっと苦戦してもよかったと思うけど、まるで相手にならなかった。
先の人生もそう長くないだろうに、今更生きる理由を与える必要はあったのかどうなのか。
緋仔の母親より、イカサマ師のズキアの方がスリルがあったような気がする。

探偵卿はあまりにも腑抜けすぎた……。これなら、冥美の方が遥かにクイーンの相手になったと思う。
いや、クイーンへの精神的負担という意味では、今作で随一かもしれない。
男の探偵、少なくとも私の観測範囲内では、惚れた女の前では鈍才に成り下がる率が高いような。
私に見えている世界が狭すぎるのか、シャーロックホームズの性質が脈々と受け継がれているのか?

ジョーカーとの別れのシーンでのイルマは、口では無礼者と罵りながら、密かに彼を異性として意識していたのかなあ……(男女カプおばさんの妄想)。

怪盗が主人公の物語って、まじっく快斗以外ろくに読んだことがなかったので、このシリーズのジャンルが未だに分からない。
ミステリーやサスペンスにカテゴライズしていいのかこれ?