踊るジョーカー 名探偵音野順の事件簿

踊るジョーカー 名探偵音野順の事件簿

「世界一気弱な名探偵」というキャラ付けが新鮮で手に取っておいてなんだけど、やっぱり名探偵に自尊心という要素は必要不可欠だと思った。終始モジモジされてると不安しかない。あらゆることに消極的で、大小様々なサイズの幸せを逃しまくっているタイプ。2巻を読もうと思えるほど好きにはなれなかった。

時間泥棒

犯人がぶん殴られるシーンが痛快だった。ラストは肉食系女子×絶食系男子を匂わせる展開。アサヒさんのサブキャラクター化はアリかもしれん。

見えないダイイング・メッセージ

探偵の兄の方が探偵らしいという展開に目を白黒させていたら、依頼されたからこそ気付ける真実に順が辿り着いて安堵。この兄は今後度々登場するような気がする。

毒入りバレンタイン・チョコ

ぶっ飛んだ愛情が犯罪と結び付くのは(フィクションにおいては)かなり性癖なんだけど、メリーバッドエンドが成立するのは被害者と加害者が両想いな場合に限られると思う。今作では事件解決後のエピローグは書かれてないけど、まあ被害者が事件前から加害者を好いている可能性は万に一つもないかな。加害者には1ミリも同情できない。ストーカー、ではないけど、アプローチの仕方が気持ち悪い。
名探偵音野、推理の展開はよかったのに証拠を押さえておかないから、どこか明智警視を彷彿とさせる嫌味エリートに美味しいところを持っていかれてしまった。探偵見習いって感じ。

ゆきだるまが殺しにやってくる

「ありそうな感じがするけど現実には存在しないものしりとり」頭がいい人にしかできない遊びだ……知性の無駄遣いだ……。
コナンアニオリの「完全半分犯罪の謎」を思い出した。どっちを殺しても得られる結果は同じ。