読書記録

読んだ本の感想まとめ。

セカンド・ラブ

イニシエーション・ラブ』と同じく女が男を弄ぶ系の作品だと思いながら読み始めて、主人公の正体に驚かされた。やられた。
冒頭の結婚披露宴のシーンと矛盾するのでは? と思って読み直したけど、矛盾してなかった。それどころか、主人公が実体を持たないことをすでに示唆している。参った。完敗である。
冷静に考えてみれば、こんなに分かりやすい形で謎(春香と美奈子が同一人物であること)を明かしているなら、ミステリーがミステリーとして成り立ってないよな。

結局私には、正明の言うように、春香が死んだ美奈子になりすまして水商売の世界に飛び込んだ理由が分からないよ。正明と先輩の二人を手玉に取りたかったのか? →美奈子が生き残って春香になった説の存在を他の人の感想で知って、得心した。

正明に言いたいのは二つ。
一つは、避妊具をつけるのに手間取って、恋人に成功経験がないことを悟られるのが恥ずかしいなら、最初から避妊具を買って一人で練習すればよかったのでは? という疑問。
そしてもう一つは、二人の女を同時に愛せるほど器用な性格していないことをもっと自覚した方がいい、ということ。

このシリーズ、ラストのどんでん返しは面白いんだけど、女性の性格が悪いから読了後非常にストレスが溜まる。
それに『イニシエーション・ラブ』の続編でもなければ登場人物がリンクしているわけでもなさそうなので、Kindleでシリーズ扱いされている理由が不明瞭だと思う。