読書記録

読んだ本の感想まとめ。

夏への扉

以下の4つの理由から、個人的には期待外れの作品だった。

  1. タイムパラドックス的な面白さが欠落している
  2. 主人公の成人男性が、10歳かそこらの少女を庇護対象ではなく恋愛対象として扱い始める
  3. 猫の登場シーンが想像以上に少なかった
  4. ペテン師夫婦が社会的制裁を受けていない

小説が面白かったら劇場版を観ようと思ってたんだけど、原作に魅力を感じられないんじゃどうしようもない……。
これは読者としての我儘だけど、私はタイムパラドックスにもがく主人公の姿を期待していたんだと思う。

なんどひとにだまされようとも、なんど痛い目をみようとも、結局は人間を信用しなければなにもできないではないか。まったく人間を信用しないでなにかをやるとすれば、山の中の洞窟にでも住んで、眠るときにも片目をあけていなければならなくなる。

これは至言だと思った。結局、人に生まれたならば、人の中でしか生きられない。