読書記録

読んだ本の感想まとめ。

2021-01-01から1年間の記事一覧

セーラー服と機関銃

セーラー服と機関銃 (角川文庫)作者:赤川 次郎KADOKAWAAmazon泉が山奥に誘拐されてからの展開は、80年代だからこそ公開できたような気がする。 近年発表だったら、太っちょの性癖について医療を始めいろんな業界から叩かれそう。 それに、社長室に乗り込んで…

名探偵コナン 97巻

名探偵コナン(97) (少年サンデーコミックス)作者:青山剛昌小学館Amazon FILE.1 大切な物ですから… 真純ちゃんの目の前で眠りの園子を披露してるあたり、正体を明言する気はないけど、隠す気も特になさそう。なんでだー! 中途半端やめろ! 犯人には辛辣…

15歳のコーヒー屋さん 発達障害のぼくができることから ぼくにしかできないことへ

15歳のコーヒー屋さん 発達障害のぼくができることから ぼくにしかできないことへ作者:岩野 響KADOKAWAAmazon できないことより、できること。 そして、できることから、響にしかできないことへ。 お店のキャッチコピーになっているこの言葉、特別なものでは…

青矢先輩と私の探偵部活動

青矢先輩と私の探偵部活動 (集英社文庫)作者:喜多 喜久集英社Amazon面白くて、普段の2倍のスピードで読んだ。 一番後味が悪い事件は「救済の毒草」、一番起伏に富んでいるのは「神の目の在り処」かな。 探偵部の新たな拠点が誕生したところを見るに、シリー…

ニャン氏の事件簿

ニャン氏の事件簿 (創元推理文庫)作者:松尾 由美東京創元社Amazon前半は、登場人物の印象も事件の印象も薄い。インパクトは皆無。 『海からの贈り物』あたりから、主人公の背景が紐解かれてきて、キャラクターに色が付いてきた。 ようやく面白くなってきた、…

ハサミ男

ハサミ男 (講談社文庫)作者:殊能将之講談社Amazonこの物語をハッピーエンドとは捉えたくない。警察は事件を半分しか解決していない。 確かに樽宮由紀子を殺害した犯人は暴かれたけど、被疑者死亡で遺族は1ミリも救われない。――そりゃあまあ、警視正殿に勘付…

2025年、人は「買い物」をしなくなる

2025年、人は「買い物」をしなくなる作者:望月 智之クロスメディア・パブリッシング(インプレス)Amazon久々にワクワクするノンフィクションを読んだ。 Kindle Unlimitedで偶然手に取った本だけど、読んでよかった。 5Gがもたらしてくれる消費の変化を想像…

葉桜の季節に君を想うということ

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)作者:歌野 晶午文藝春秋Amazon途中で視点が別人になったり、時間軸が過去へ飛んだり、混乱させられた理由が終盤でやっと分かった。 なるほど、これは確かに上質な叙述ミステリーだ。「補遺」が、読者に伏せられて…

セカンド・ラブ

セカンド・ラブ (文春文庫)作者:乾 くるみ文藝春秋Amazon『イニシエーション・ラブ』と同じく女が男を弄ぶ系の作品だと思いながら読み始めて、主人公の正体に驚かされた。やられた。 冒頭の結婚披露宴のシーンと矛盾するのでは? と思って読み直したけど、矛…

魔女学校の一年生―ミルドレッドの魔女学校〈1〉

魔女学校の一年生―ミルドレッドの魔女学校〈1〉 (児童図書館・文学の部屋)作者:ジル マーフィ評論社Amazon主人公が生徒たちや先生方の信頼を獲得するまでがスピーディー。 満場一致のハッピーエンドだから、児童書としては分かりやすいか。 冒頭は独りぼっち…

魚服記

魚服記 (立東舎 乙女の本棚)作者:太宰 治,ねこ助立東舎Amazon結局少女が何を望んでいたのか、うまく読解できなかった。 鮒になった自分に気づくとき、彼女は何を思うのだろう。最後の見開きページは印象に残った。 「魚服」の意味が分からず調べたものの、Go…

名探偵コナン 赤井秀一シークレットアーカイブスPLUS: 世良真純/羽田秀吉/メアリー

名探偵コナン 赤井秀一シークレットアーカイブスPLUS: 世良真純/羽田秀吉/メアリー (少年サンデーグラフィック)作者:小学館集英社プロダクション,トムス・エンタテインメント発売日: 2021/05/18メディア: 単行本 総括:「シークレットアーカイブスを読んだあ…

葉桜と魔笛

葉桜と魔笛 (立東舎 乙女の本棚)作者:太宰 治,紗久楽 さわ,最果 タヒ発売日: 2016/12/19メディア: 単行本絵柄が、乙女の本棚シリーズの中で一番好き。姉妹の麗しさが伝わってくる。 妹のために手紙と歌をこしらえ、口笛まで吹こうとした姉の気持ちが胸を打つ…

春は馬車に乗って

春は馬車に乗って (立東舎 乙女の本棚)作者:横光 利一,いとうあつき発売日: 2021/04/16メディア: 単行本タイトル・表紙と作品冒頭とで、受ける印象が違いすぎる。 ラストでタイトルと繋がったときは、胸に迫るものがあった。前半では、夫と妻の価値観がどこ…

イニシエーション・ラブ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)作者:乾 くるみ発売日: 2012/09/20メディア: Kindle版劇場版公開当時に映画館で観て、読者に故意に伏せられていた真実は知っていた。 原作を読み終えた今、小説から触れればよかったと後悔を噛みしめている。叙述トリック…

ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常

ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延発売日: 2013/02/25メディア: Kindle版 第一話 アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』(ハヤカワNV文庫) 読書が好きなら、人の感想を横取りして自作発言…

約束の猫

約束の猫 (立東舎)作者:村山 早紀,げみ発売日: 2020/11/19メディア: 単行本 七日間のスノウ 約束の猫 (立東舎) / 村山 早紀,げみ #読書メーター 『七日間のスノウ』村山早紀先生っていったらコンビニたそがれ堂をはじめとした優しくて満場一致ハッピーエンド…

ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~

ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延発売日: 2013/02/25メディア: Kindle版7~8年ぶりくらいの再読。当時は感想を残す癖がなかったので、展開をほぼ忘れていた。なので初読のつもりで読んだ。 第一話…

罪の声

罪の声 (講談社文庫)作者:塩田武士発売日: 2019/05/15メディア: Kindle版6章まで展開が緻密で、読了に1ヶ月近くかかってしまったけど、読んでよかった。 映画は映画、小説は小説で楽しめた。現実に起こったグリコ・森永事件の参考文献も読んでみようと思う。…

名探偵コナン 96巻

名探偵コナン(96) (少年サンデーコミックス)作者:青山剛昌発売日: 2019/04/10メディア: Kindle版 FILE.1 女性警察官連続殺人事件 28歳で警部補って、出世頭だと思った。巡査→巡査部長→警部補でしょ? 犯人の回想「ヨロシクね由美♪」に嫌な予感しかしない…

押絵と旅する男

押絵と旅する男 (立東舎 乙女の本棚)作者:江戸川 乱歩,しきみ発売日: 2017/12/13メディア: 単行本すごくひたむきな恋心が描かれているように見えてその実、「二次元の少女に恋焦がれ我を忘れた男が、遠眼鏡の力で少女のいる世界に行った。ずっと幸せだったけ…

名探偵コナン 95巻

名探偵コナン(95) (少年サンデーコミックス)作者:青山剛昌発売日: 2018/11/02メディア: Kindle版 FILE.1 薄紅の回答 江戸川コナンの正体に関わる会話を、その秘密を知らない(はずの)人の近くでするんじゃない! たとえひ声を潜めたとしてもだ! 服部、蘭…

仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?

仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?作者:飯野謙次発売日: 2017/02/03メディア: Kindle版 人間の絶え間ない高度の注意力を必要とするものがあれば、それは「作業そのものに設計ミスがある」 小耳に挟んだことはあるものの、失敗学を研究してい…

檸檬

檸檬 (立東舎 乙女の本棚)作者:梶井 基次郎,げみ発売日: 2017/07/19メディア: 単行本この話を楽しめる感性は私にはなかったらしい。 主人公が積み上げた本の塔を元の棚に戻す店員さんの手間を思って、胃がシクシクした。後始末をしてから立ち去ってくれ。

蜜柑

蜜柑 (立東舎 乙女の本棚)作者:芥川 龍之介,げみ発売日: 2018/07/13メディア: 単行本終盤にある見開きページの、蜜柑と夕暮れの橙色が美しい。 特に蜜柑が空を舞っている見開きページ。言葉が一切添えられていないのが潔くていい。

映画『君は彼方』

www.kimikana.jp 正直主人公をあまり好きになれなかった。ハッピーエンドを心の底から願えなかった。自分の中では星2。 久し振りに相性の悪いキャラクターを目の当たりにして戸惑っている。 U-NEXTのポイントを1000以上もつっこんだのに~! これが1,500円払…

瓶詰地獄

瓶詰地獄 (立東舎 乙女の本棚)作者:夢野 久作,ホノジロトヲジ発売日: 2017/12/13メディア: 単行本すごい。言葉が読者の脳みそを愛撫してくる。 私にこの手の文才があれば、こういう暗喩のR作品を書き散らしたい。漂流して無人島? に二人きりという特殊な状…

超絶不運少女1 ついてないにもほどがある!

超絶不運少女1 ついてないにもほどがある! (講談社青い鳥文庫)作者:石川宏千花発売日: 2015/12/18メディア: Kindle版2話で一番問題なのは、サルを何日も捕獲できない大人たちだね……。 小山田さんだけは(恋愛面において)いい仕事をしていったけど。嵐が人間…

「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。

「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。作者:藤𠮷 豊,小川 真理子発売日: 2021/01/01メディア: Kindle版プロが謳う文章術を学ぼうと思って読み始めた。でも大半はとっくに実践しているテクニックが書かれていた。 文章を書き終えたら…

桜の森の満開の下

桜の森の満開の下 (立東舎 乙女の本棚)作者:坂口 安吾発売日: 2019/12/19メディア: 単行本男自身何人も斬り殺している極悪人なのに、女の「首遊び」が猟奇的すぎて男の悪事の濃度が薄まっているから怖い。首遊びシーンの挿絵が最小限に留めてあるのは出版社…