読書記録

読んだ本の感想まとめ。

その幸運は偶然ではないんです!

知人にクランボルツの理論の概要を教えていただき、興味を持って手に取った本。
一言でこの本の内容を表現するなら、「いつも学び、いつも挑戦し、いつも好奇心を持つ」が適当だと思う。

私は元々何年も先の人生計画を立てることが大の苦手で、訳者あとがきで語られている「ただ会社や情勢に振り回されているだけの受動的なマジョリティ」の一人に過ぎない。しかし誰も予想していなかったコロナ禍の渦中にいる今、ライフプランやキャリアプランを立てることの意義に大分懐疑的になっていた。そんなタイミングで偶然この本に出合えたことは、私にとって幸運だった。
仕事はもちろんのこと、恋愛も結婚も子育ても老後も事件事故災害への遭遇も、世の中自力じゃコントロールできないことで溢れている。だから人生に必要なのは長期的な計画力やその遂行力ではなく、下記6つの力なのだと思う。

  1. 想定外の出来事を最大限に活用する力
  2. 選択肢に固執しないオープンマインド
  3. 夢や目標を変更する柔軟性
  4. 結果が見えなくてもやってみようという冒険心
  5. どんどん間違えようという楽観性
  6. 生涯学び続けようという向上心

今の自分に及第点を与えられるのは柔軟性くらいか? それもうつで倒れたという不可抗力によって身につけざるを得なかっただけ。今も「大金を親に出させて2年もかけてスキルを身につけたのに、夢が潰えてしまった」という親への申し訳なさが消えないし。

今の状態だと、6つの力の全部が話にならないレベルなので、フルタイムで安定して働けるようになった頃、もう一度この本の内容を見返してみようと思う。

よくある巨万の富を得た経営者や何かのコンサルタントの人が書いた啓発書は、もう幼少期の価値観から違うから読んでも唖然とするしかない。でもこの本の事例は巷にいそうなビジネスパーソンの例ばかりだったので、読んでいて疲れなかった。日本の実情に合わせて意訳や削除をしてくれた訳者に感謝。