- 作者:古宮 九時
- 発売日: 2021/01/22
- メディア: 文庫
やっぱり放火の犯人が物的証拠付きで確定しないのはミステリー好きとしてはどうしても消化不良。状況証拠だけじゃダメだよ。
もし彼女に曇りがあるのだとしても。それは全て僕が持っていく。
主人公の気持ちが重すぎて好き。ヒロインの潔癖を疑わないところも、曇りを全部引き受けられると驕っているところも青臭くて好き。でも物語全体に恋愛要素が散りばめられていることを期待した読者は不満だと思う。ミステリーと恋愛の両輪にしない方がよかったのでは……。
死んだ人間になりすますのは、倫理的には悪だけど、なりすましが相手にとって救いになっているのなら罪とは言えないのでは。罪の定義とは……?
主人公と奈々が対峙した時、放火の真犯人が奈々だったら1ミリも救いがなくて面白いのにと思った(発想が最低)