読書記録

読んだ本の感想まとめ。

社長ですがなにか?(1) 小学生、オトナと本気のアイデア勝負!

私は児童書を読み始めたつもりだったが、これはビジネス書でもあると思った。ビジネスパーソンとして、今のチーム内の役割を踏まえて考えさせられることが多すぎた。

  1. 坂口っていう社員も記者も、コンプライアンス意識以前に、民法の遵守意識がゴミで仰天した。それでもビジネスパーソンなの? 口約束でも契約は成立するはずだが? ペーパー・エア・プレイン社側は義務を果たしたのなら、向こう側の債務不履行ってことで、出るとこ出たら勝てるんじゃないかしら?
    1. ただどんなに企画力があっても金銭的な話をしなきゃならないから、その問題の取材に代表取締役が同席していればよかったのになあ……。とりあえず代表取締役が法的には権限トップのはずだから、代表取締役を引っ張ってきて詰めよう。
    2. 話が通じないとあしらおうとするのも結構だが、この情報社会で本件について明るみになったら、社会的に死ぬのはメーカー側だぞ。ヒロインの言葉を遮ったところからみても、この社員が上に報連相せずに独断で調子のいいことを言った可能性が高いな。発覚したら本人と上長の首が飛ぶんじゃないか?
  2. 「でも、新シリーズを目にするたび、知らない商品になっていく。」私は仕事で商品企画に携わった経験はないのに、どうしてか刺さった。これをキャッチコピーにして、この本の装丁や表紙をビジネスパーソン向けにして売り出したらビジネス書として売れるんじゃないかしら……。商品企画部の社員(成人)にこそ刺さりそう。
  3. 熊谷社長、ちょいちょい失礼なワードが混ざるのと、自信に満ち溢れすぎているのが気になる。でも大会社の社長って、やや尊大くらいじゃないと務まらないのかも。
  4. え、餌付けされてる……。
  5. 設立当初から順風満帆な会社なんてないんだよ~~。みんな社員数人の零細企業から初めて、赤字を出しまくって、それでも先行投資して、血の滲むような努力で実績を積んで、株式市場に上場してからがまたスタートで。いや、私は会社経営をしたことはないのでその苦労の1%だって知らないけれど。でも、どんなに大きな組織にもはじまりはある。
    • そうか、熊谷社長は雇われ社長ではなくて、グループの創立者か。
  6. 業界で名の知れた企業なら、トップは分刻みのスケジュールで、秘書だって一人じゃ足りないだろうに、三人のために打ち合わせの時間をねじ込んだと思うと泣ける。
  7. 凛のリスクヘッジ能力が高すぎる。会社に必要な存在だわ。会社のトップがこのタイプだと業績が伸び悩むかもしれないけど、ブレーンにこのタイプがいるのは大切だわ。
  8. 資金力と知名度を取るか、ブランドの独自性を取るかっていう究極の二択になってきたな。割と本気でビジネス書だぞ、これ。
  9. 「お金は世界中にくばれないけど、アイデアはみんなに届けることができる。」すごい、こんな崇高な意識を持って働けるなんて。私にはこんな視野の広さを持つのは無理だな。でもこういう理念から生まれたんだよね、クラウドファンディングっていう一大ジャンルは。
  10. 「好意を受けとる、つまり契約完了ということだ」そんなわけないろ……。私忖度って好きじゃない。凛のリスクヘッジは正しかったらしい。三人全員攫うと、その場で情報共有と咀嚼が始まるから、一人だけ攫ったのか。今すぐ逃げてー! 丸め込まれないでー!
    1. っていうか計画誘拐と軟禁と脅迫は卑劣な犯罪。録音して出るとこ出ようぜ。
    2. ひょっとして秘書の人も、熊谷社長のコンプライアンス違反を知りながら生活のために嫌々部下やってる?
  11. 本性、ワァ……………… 熊谷社長の足元に、大勢の亡骸が埋まってる………………
  12. 凛がファインプレーすぎるー! 拍手! ありがとうありがとう、おかげで会社の未来が絶たれずに済んだよ。人生二周目の会社のブレーンありがとう(ところで野暮かもしれないけど、法的な社の代表である代表取締役は何してんの?)
  13. 清之助社長のダメ出し、容赦がなくて心臓がヒュッってなる。ようするにコストが見合ってない、消費者の顔が見えない、ブランディングと乖離してるってことでしょ。この社長、本気だわ。
  14. 競合他社との差別化、働き方改革ブレインストーミング……。仕事をする上で大事な要素がしっかり練りこまれてる。
  15. 豪華にすれば消費者に訴求できるってわけじゃないと思うけどね。日常使いするものがけばけばしいとかえって敬遠しないか? 本気でやるなら、既存顧客のニーズ調査からじゃない?
  16. 取材の打診前にアイデアをべらべら開示しちゃったの、嫌な予感しかしない。それ絶対熊谷社長に潰されるわよ。熊谷社長だからってだけじゃなく、クライアントへの提案前に情報を漏らしたらダメだよ~……。
  17. 「なにも変わってないだろ」「がんばっても、けっきょくダメだった」会社は努力じゃなくて成果物と達成度で評価するからね。なにも変わってないなら、なにもしていないのと同じだから。達成度0でも、努力した過程を肯定してくれる学生時代の尊さよ。
  18. 努力する土壌すらないなら、普通は諦めるよ。強い人だ。
  19. 新しい商品を0→1で生み出すんじゃなく、今ある商品に一工夫して、売り出し方を大きく変えるのか! 考えたな~!
  20. 「ワシは、この商品を考えた人間としごとがしたい。」全プランナー垂涎もののセリフだ。私まで泣きそうになってしまった。最高の肯定だよ。
  21. 顧問契約を結んだら、JEJEが倒産したら共倒れだと思うんだが。どんな大企業でも、先行き不透明な時代だからねえ。組織に永遠なんてないんだよ。
  22. JEJE、ペルソナどころかターゲット層を定めずに企画したんかい。新入社員だってターゲットの定義の大切さは知っていますわよ。どんなプロジェクトだって、ものを作る仕事なら要件として最初に定めるでしょ! あほなんじゃないかしらん?
  23. 1位おめでとう!!!!! 試合に負けて勝負に勝つ、を体現したような展開。消費者は嘘をつかないんだね。
  24. 「『会社の勝負』を決めるのは、じっさいにお金を出して買う客」こ、これだー! これをキャッチコピーにしたらビジネス書にもなれる!!
  25. あとがきの企画書の解説が、ターゲットユーザーとニーズとブランディング、一番大事な要点は全部抑えられてて驚愕した。私新入社員のころこんなの知らなかった。