順不同。思いついた順。
- 男女カプおばさんとしては大満足だった。心がきれいになった。
- でもこの作品の主題は恋愛でもセカイ系でもない。答えはパンフレットの中にある。アニメ映画だと色眼鏡で捉えずに、地震の描写にトラウマがないすべての日本人に鑑賞してほしい。過去は、自分自身で救うことができる。
- 公開が、3.11の傷跡がまだ生々しい時期じゃなくてよかった。11年経った今だから観られる作品だ。私は当時直接の被災者ではなかったから言えることかもしれないけど……。
- 公開前の緊急地震速報に関する注意喚起は適切だったと思う。
- 誰かと誰かが出会って救いになる物語は性癖だけど、自分が自分を救う物語もかなり好きだということに気づいた。この作品には嫌味がない。
- 上映終了後に、近くの人が「最初に主人公が余計なことしなければ……」っていう不満が聞こえてきて、ヒロイン至上主義の私としては一気にテンションが下がった。批判としては御尤もだけど、冒頭のあの行動がなければ、物語に起承転結の起が生まれないだろ……。
- パンフレットのメインビジュアルがヒロイン×ヒーローで眼福眼福。靴が草太さんのものなのがグッとくる。鈴芽ちゃん1人じゃなく2人が主人公なんだ、2人とも物語の柱なんだ、どちらかが欠けても物語が成立しないんだ。
- プール?の中央に扉があるティザービジュアルのイメージが強烈だったから、今作は水の描写が多いかもしれないと勝手に思ってたけど、愛媛→神戸→東京と日本横断の旅だった。
- ヒロイン役・ヒーロー役共にCVが指名制じゃなくオーディション制だったのか……! 2人ともプロの声優だった!
- 愛媛、神戸で鈴芽ちゃんの衣食住をお世話してくれた人たちの温かさよ。
- この映画の企画って、2020年の4月が初動なの? コロナ禍第一波の真っ最中……? 激動の2年間を経て公開された、このタイミングには監督の強い思いがありそう。企画書の時点で世界観が完成してて、キャラクターデザインも完成版ほぼそのままブレてないのすごすぎるよ。
- そういえば作中では言及が一切なかったけど、鈴芽ちゃんの父親は……? 椿芽さんはどういう経緯でシングルマザーになったのだろう。
- アクションシーンはついつい派手な観覧車シーンやミミズ相手のシーンが思い浮かぶけど、三本足になった草太さんが器用にダイジンを追いかける姿もなかなか超人的。
- 扉を閉じるときの鍵まわりのエフェクト?が美しい。呪文の「お返し申す」も仰々しくて好き。
- 鈴芽ちゃんの片三つ編み可愛い♡
- 草太さん(椅子)に唇を寄せるシーンには、恋の甘酸っぱさが詰まってる。
- 「草太は神と人間の融合体みたいなイメージ」つよい。今までのヒーローとは格が違う。
- 鈴芽ちゃん世代には、ドライブ中の懐メロはそのエモさが伝わってないと思う。環さんは懐メロどころじゃなかった。でも観客には伝わったはずだ。私もルージュの伝言が好きだ。「My darling!」と熱唱する神木隆之介つよい。
- 人から廃棄され、悼まれない土地か……。身近にそういう場所はないけど、地方だと珍しくないんだろうか。このまま日本が少子高齢化社会でどんどん衰退していくなら、東京23区にも朽ちた街が増えていくのかな。もう余生を生きている私には、そんな未来を防ぐためにできることは何もないのだろう。
- 鈴芽ちゃんのように、3.11でたった一人の家族や親を失って孤独を味わった未就学児は、リアルにたくさんいたんだろうな。
- 旅先で出会った人が女性だった、その年齢に幅があったことにも意図があったとは……。深い。
- 鈴芽ちゃんはキャップ姿や千果ちゃんに借りた洋服姿も高校生らしくて可愛かったけど、やっぱり制服姿が一番好き。特に、草太さんの部屋でポニーテールにする仕草が好き。スカート丈と靴下丈のバランスがリアルだ。
- 草太さんは正直、第一印象では20代半ばに見えた。すまん。
- 彼が鈴芽ちゃんを真っ先に庇護対象として見てくれる人でよかったと思う。初めから年の差恋愛を全面に押し出されていたら、ちょっと引いたかも。
- ダイジンの名前の由来がパンフレットに書いてあった。この子は、物語の前半と後半で印象が180度変わったね。この作品はハッピーエンドだけど、被害者がいるとするなら、鈴芽ちゃんに拒絶されたこの子なのだろう。でもあんな態度を取っていたら、私が鈴芽ちゃんの立場でも拒絶したと思う。彼女がダイジンを地面に叩きつけなかったのは、彼女自身の理性と、動物虐待の描写を入れるわけにはいかなかったからか。
- 芹澤さんのCVが神木隆之介って意外。全然分からなかった、でも違和感なかった。改めて多才だなって思う。
- 環さんが駐車場で鈴芽ちゃんに叩きつけた言葉はショッキングだった。私も実母からその手の拒絶の言葉を聞いたことがある。本心だったのか、それともサダイジンの力が何か作用して、心にもないことを言わせていた……?
- 鈴芽ちゃんと環さんの関係は、東京での再会シーンまではどちらかというと環さん寄りの視点で見ていた。成人女からすると高2は保護の対象だし、たぶんギリ鈴芽ちゃんより環さんの方に年齢近いし。
- 4歳の鈴芽ちゃんが出会った女性は、未来の鈴芽だったのか。「誰?」って聞かれたとき、とっさに「あした」と表現した(私の耳にはそう聞こえた)のがまたエモかった。
- 高2の鈴芽ちゃんが幼い自分にかけた言葉は、日本中にいるコロナ禍で苦しむ人や戸惑う人へのメッセージなんだと思う。「光の中であなたは生きていく」だったっけ……大事な言葉なのにうろ覚えだ。もう一度聴きたい。
- 主題歌2曲について。「すずめ Feat.十明」は、「君の手に触れた時にだけ震えた 心があったよ」というフレーズが、2人の唯一無二の関係がよく出ていて好き。
- 「正しさのその先で」の部分は、草太さんが要石となったシーンで鈴芽ちゃんが絶望して、それでも椅子をミミズに刺したその「正しさ」を称えた言葉なのだろうか。
- 「カナタハルカ」は、全面的にヒーローからヒロインへのクソデカ感情が言語化されていて優勝。映画を観る観ないに関わらず、全クソデカ感情好きに聴いてほしい。余すところなく歌詞の全部が好き。ヒーローにとってヒロインは世界の半分なの? そんな君が好きさ!!!!!
- 冬?、ラストで鈴芽ちゃんと草太さんが再会するシーンには、内心拍手喝采だった。「おかえり」という言葉がまたエモい。「久し振り」でも「また会ったね」でもなく「おかえり」。2人が再会することは物語冒頭から確定事項だったのよ。