読書記録

読んだ本の感想まとめ。

アリスとテレスのまぼろし工場

maboroshi.movie
早々と原作小説を読んだ上で鑑賞したのだけど、映像でしか得られない栄養があったと思う。
動いて画面の向こうで息をしてるキャラクター、よい。というか作画がよすぎる。

この作品の尊さについては原作を読んだときに散々語ったつもりだけど、
ringonoha.hatenablog.com
やっぱり五実ちゃんを列車で現実へ送るシーンのアクションとか、正宗と睦実のキスシーンとか、映像の方が表現力があるシーンは多い。
菊入昭宗氏は、あの幻の世界で最初にヒビが入った(=変化が訪れた)人間だったのだろう。
作中で世界から消えていった人たちを、死や喪失とは呼びたくない。なんというか、現実世界の同一人物と融合したんだと思う。
だって、10年以上15歳の冬をループした正宗が描いたであろう絵が、製鉄所跡地に残されていたもの。
あの人たちが生きた証は、消えてなんかいない。