読書記録

読んだ本の感想まとめ。

黒鉄の魚影 感想

www.conan-movie.jp
一文字残らずネタバレしかない。時系列順ではなく思いついた順

哀ちゃんと蘭ちゃんの話しかしてない

  1. あれは蘭哀映画。そしてベル哀映画。
  2. セコム毛利蘭映画でもある。
  3. そして確かにコ←哀映画ではある。私は長いこと哀ちゃんからの「『毛利蘭を愛する工藤新一』を想う気持ち」を尊いと思っている。叶ったと同時に成立しなくなる恋だからこそ、尊いと思っている。一番尊いのは、姉以外からの愛情をまともに知らなかった彼女が、新一への気持ちを礎に周りからの愛情を素直に受け取り、また返せるようになったこと。新一への恋心は、灰原哀という人格を解釈する上で必要不可欠な要素だ。それは間違いない。哀ちゃんが新一を好きにならなかったら、歩美ちゃんとの距離は縮まらなかった。比護さんのファンにはならなかった。博士のメタボリックを案じるようにはならなかった。
  4. コ←哀に愛を叫ぶ人たちが一人でも多く、蘭哀の魅力に気づくことを願ってやまない。あれは青山原画による蘭哀の暴力。
  5. 灰原哀という少女の軌跡を描いた映画でもある。これぞ別名灰原哀物語。1月に公開された方は、映画本編と比べるとただのベルツリー急行物語と感じる(哀ちゃん好きによる悪口)
  6. 攫われた哀ちゃんをパジャマのまま、裸足のまま、車の天井にダイブして救おうとした蘭ちゃん。そうなんです、毛利蘭という女性は哀ちゃんにとってヒーローなんです。バルコニーから宙に浮いた瞬間、蘭ちゃんの姿と夜空が重なった瞬間が格好良すぎて、私はまた彼女に恋をしてしまったよ。このシーンが特大ポスターになってほしいと願う春の夜。
  7. 予告映像で見た、蘭ちゃんに抱き締められて明美さんを重ね、安心して目を閉じる哀ちゃんは本当にいた。ありがとうございます。公開日当日に観に行って本当によかった。
  8. ラストの哀ちゃんからの口づけのシーンは、かつて二元ミステリー事件の2人の関係性に恋をしたファンへのご褒美だと思う。ここが青山原画なのも最高。「返したわよ、あなたの唇」というセリフも表情も何もかもが最高。このキスシーンは、毛利蘭と灰原哀という2人の関係性の、青山先生によるアンサーなのではないか。
  9. 私は人生の半分以上新一と蘭ちゃんに愛を叫んできたから、そりゃあ水中でのキスシーンに思うところがないわけじゃないけど(言うて人命救助のためだしな……)、結局のところコナンの唇は蘭哀のための踏み台にされたんだなと思ったら、コナンが少し可哀想になった(笑) 女性同士の美しい関係性(not百合)にはさ、男は踏み台でいいよね(問題発言)
  10. 浮上のシーン、水中で酸素の供給なしに会話できるわけがないから、あれは2人のモノローグだったんだよね? モノローグで会話できる2人の意思疎通力何事。水中メガネの下で頬を染める哀ちゃんがかわいかった。ああ、この子は本当に彼が好きなんだなあと思った。
  11. 「バイバイだね、江戸川コナンくん」という言葉は本当にあった。マジかよ。予告詐欺だと思ってた、ごめんなさい。あの言葉を口にした胸中を思うと、胸が締めつけられる。「そんなふうに思わないで」だなんて安易に言えない。
  12. ウォッカピンガに見つかった哀ちゃんのシーン、「夢であってほしい」と願わずにはいられなかった。
  13. ベルモット=哀ちゃんがブローチの整理券を譲った着物のおばあさん、だと……。いったい何のためにあの場にいたんだろう。ベルモットは実はシェリーの味方説、私の中で再浮上。二元ミステリーやベルツリー急行と接し方が違いすぎるのよ。それともこっちは映画だから、原作筋には存在しない世界線なんだろうか。でもから紅あたりは原作筋にも食い込んでるし、でも……。組織に捕まって死を覚悟する哀ちゃんなんて、もう原作では見たくない。見たくないよ。もうこれから先ずっと、蘭ちゃんや探偵団の周りで笑っていてほしいよ。
  14. ベルモットの考える「開けてはならない玉手箱」が、江戸川コナン=工藤新一(の、背後にいるエンジェル)に組織の魔の手が伸びることを指しているのだとしても、彼女の行動が結果的にシェリーの擁護に繋がっているなら、今回に限っては敵対関係とは言えないのではないか。
  15. 蘭ちゃんの夜間のアクションシーン、本当に格好いいけど、組織の構成員に近づきすぎ!とも思う。そこにいるウォッカは、新一に毒薬を飲ませたやべえやつの金魚のフン……。
  16. 地面に叩きつけられても跳ね起きる反射神経なに?
  17. 蘭ちゃんへの銃弾を間一髪で防いだコナンは格好よかった。小さな騎士。切羽詰まりすぎて子供のフリを忘れているところも、そんな姿が蘭ちゃんの目には新一とダブって見えるのも好き。
  18. 予告映像で見た哀ちゃんの涙……。辛いけど、涙は体からの大事なSOSだから、泣けるならこの子はどん底じゃないなら、心の依存先がちゃんとあるんだなと感じる。
  19. 「お守り」の追跡眼鏡の初代を受け取ってにっこりする哀ちゃんかわいい。青山原画かわいい。直美さんに「信じて」と訴える直前、かけていたね。哀ちゃんになって安心と勇気の象徴なんだね。
  20. 天国へのカウントダウンで「席がない」と言っていた女の子が、「信じて」と人に手を差し伸べるなんて。エレーナさん、明美さん、天国で見ていますか。仲間を得て、心の依存先をたくさん得て、こんなに強くなりましたよ。
  21. 子供時代、直美さんに声をかけた志保ちゃん。ずっとずっと昔から、彼女は優しかった。直美さんはそれをずっと覚えていてくれた。直美さん、灰原哀の奥に眠る本名に気付いてくれてありがとうございます。私もあなたに会えてよかった。
  22. 潜水艦から救出され、タオルにくるまれてコナンの話を聞く哀ちゃんの、細い指先が泣ける。
  23. 細かいところだけど、蘭ちゃんのお袖が特徴的なワンピースも哀ちゃんのフリル付きのお洋服もかわいかった。
  24. クライマックスで、哀ちゃんのBGMに「キミがいれば」が流れるシーンは見事すぎた。この曲はずっと新一から蘭ちゃんへのキャラクターソングだと思っていたけど、哀ちゃんからコナンへのキャラクターソングという解釈を今日初めて得た。コナンにとっての太陽は蘭ちゃんで、哀ちゃんにとっての太陽はコナンで……。
  25. 主題歌の哀ちゃんの解釈が深すぎる。特に2番。帰宅後エンドレスリピートしてる。「離される時も見失わず 君を想えるように」の部分、哀ちゃんの恋心の覚悟がダイレクトに伝わってくる。ああ彼女は、例えいつか灰原哀としての生活が終わったとしても、江戸川コナンという少年がこの世から消えたとしても、ずっと心の片隅に彼を置いて生き続けたいのか。彼は哀ちゃんの人生の灯台なのか。
  26. ほかの歌詞の解釈は、私には力不足なのでガチの哀ちゃんファンに任せた。
  27. 落下したところを黒田管理官に救われる蘭ちゃん。コナンの行き場のない手と呑みこむしかなかった嫉妬心。相手が黒田さんなら仕方ない(もし白鳥警部なら何か言ってたかも?)
  28. 一瞬で蘭ちゃんの空手技の癖を見抜く黒田さん、もはや公安の人だから何も驚かない。
  29. 「子供の言葉や行動で人生が変わることもある。私はそれを体験して変われた。だから私を信じて、直美」2人は子供と大人ではなく対等、という関係性が呼び方に現れている。今の哀ちゃんの強さと、これまでの成長と、灰原哀という少女を変えてくれた元太、光彦、そして誰より歩美ちゃんの大きさを感じる名言。
  30. 志保ちゃんに救われた直美さんはずっと志保ちゃんのことを覚えていて、18歳になった志保さんの姿をカメラの中に見つけて喜んだ。でも、助けた方の志保さんは覚えていなかった。これは志保さんに非があるわけではなく、彼女にとっては本当に何気なく声をかけただけで、そんな大層な行動ではなくて、でもたった一言が直美さんの支えになっていた。人生ってそんなものかもしれない。たった一言が、人を生かしもするし殺しもする。
  31. 一秒でも早く逃げなきゃいけないのに、ベッドで眠る歩美ちゃんに掛け布団をかけ直す哀ちゃんの優しさとBIG Loveに泣ける。
  32. きっとね、コナンから受け取った「お守り」がなければ、哀ちゃんは監禁時に自身を鼓舞できなかったかもしれない。ありがとうコナン。
  33. ベルモットが老若認証システムの致命的なバグをでっち上げたことで、本当に灰原哀が組織の興味から外れたのか確信が持てない。本当に大丈夫なのコナン。

蘭ちゃんと哀ちゃん以外のこと

  1. アイリッシュといいピンガといい、江戸川コナン=工藤新一という事実に辿り着いた構成員をみすみす殺してしまうジンはやっぱり、肝心なところで抜けている。なんで長いこと組織の幹部やってるんだ。ピンガは根性はクソだが、洞察力と調査力は確実にジンよりある。上の人間の懐に入り込むコミュニケーション能力を備えていれば、蹴落とそうと画策せずともジンより上に行けただろうに(仕事の話をするな)
  2. コナンがウォッカピンガの車を取り逃がして海から上がってきたときの悲壮感といったらない。コナンは泣かない、だから顔に流れていた筋は涙じゃないと分かっていても、あれは悲嘆と自責の跡にしか見えなかった。
  3. その直後に映った博士の嘆きの声も、脳天を直撃した。彼にとって哀ちゃんは「一緒に住んでいる女の子」ではなくて、何者にも代えられない家族。攫われたら、何を投げ捨ててでも追いかける。一方で、目暮警部たちが来たあと、コナンに「落ち着いて」と促したり、探偵バッジの使用を止めたりと、冷静にフォローをする姿に年長者としての人生経験を感じた。
  4. 降谷さんから黒田さんへの情報共有が速い。ベルモットといいバーボンといい、コードネーム付きでありながら、今回はかなり味方寄りの立場で動いてるよね。コナンに組織内部の情報をリークしたり、宮野志保に変装してうろうろしたり、そもそも計画の変更に賛同しなかったり。今回明らかに敵対していて、哀ちゃんの安全を脅かしていたのはジン・ウォッカピンガキャンティ・コルンの5名か。
  5. 風見刑事が「降谷さん」と呼ぶことで、トリプルフェイスは本来の人格を取り戻せる。ありがとう風見さん、この映画に降谷零を登場させてくれて。
  6. コナンのスマートフォン2台持ちが、意外なところで役に立った。真純ちゃんには開示しないのに、降谷さんと赤井さんはあっさり近づけるんだね。対比がしんどいね。2人はもともと同じNOCだったから。民間人である真純ちゃんには情報をストップするのは当然だけど……。
  7. 降谷さんは普段赤井さんを殺したいほど憎んでいるくせに、共通目的があれば「ライ」「バーボン」ってコードネームで呼び合えるの何。その理性何。どうやったら身につくの。私もあなたと同じ年齢だけど、別に殺したいとか物騒なこと考えてないのに、ただコミュニケーションタイプが違うってだけなのに「無理なんだが?」ってなって取り繕えない日が往々にしてある。私もその能力欲しい。
  8. ゲストキャラクターの直美さんは、かつてアメリカの同じ教室で授業を受けていたなら、志保さんと同い年? 少なくとも同世代ではある。とすると直美さんは18歳~20歳くらいってことになるわけで。この年でエンジニアとして信頼されていて、日本警察のお出迎え役も務めるなんて、志保さんと同類の天才型か。志保さんも組織の中ですでに周囲に指示を出していた(部下を何人も束ねていた?)様子が窺えるから、頭脳レベルが近い人たちは昔から何かと接点があるんだなあ(小並感)
  9. 殺人犯のグレース(=ピンガ)って、途中で本人と入れ替わったわけではなく、自己紹介した当初から中身ピンガだったってことだよね。ピンガは結構がっしりした肩幅の男に見えるけど、グレースの肩は華奢……。どうやって体格寄せてたんだろう?
  10. もしかしたら私だけが感じていることかもしれないんだけど、パシフィック・ブイ局長の牧野さん、ゼロの執行人に登場した日下部と雰囲気や顔のつくりが似てて、親戚とかか?この人が殺人犯か?って失礼極まりない疑いを抱いてしまい、彼がスクリーンに映るたびに集中が乱されたことは未見の方にお伝えしておきたい。
  11. 日本だと「人種間の格差」は(少なくとも私は)あまり感じたことがないけど、海外だと黒人への忌避がまだまだ存在するとは聞いたことがある。人種差別を彷彿とさせるテレビCMが炎上したりとか。直美さんの「人種間や世代間の格差をなくす」というでっかい夢、応援したい。
  12. レバーを引くのを必死で止めたキールと、一秒でも早く殺したいジンとの攻防戦にハラハラさせられた。水無さんありがとうございます、あなたは2人の命の恩人です。
  13. 殺すべき相手を確実に仕留めるためなら、仲間の肩口に銃弾が貫通するのも厭わないジンの狂気。
  14. 直美さんに「かわいい」といったベルモット、その言葉の対象はペンダント型のUSBではなくて、それをペンダントとして身につけていた直美さん自身……だよね?
  15. 黒田さんが最初にパシフィック・ブイに同行させたのが、目暮警部ではなく白鳥警部だったのが不思議。キャリア組だから? 単に目暮警部の都合がつかなかった?
  16. ブローチの整理券を譲った哀ちゃんをしっかり見ていて、「ご褒美よ」と哀ちゃんを褒めた園子。水平線上では異色のコンビと言われていたけど、園子に褒められることを哀ちゃんは確かに喜んでいて、哀ちゃんの捉え方の変化を感じる。
  17. 「嫌な予感がする」というモノローグのあとに、不穏な音声とともに作品名が登場する流れやばいよね。一気に引き込まれる。

パンフレットを読んで

  1. 「灰原を窮地に追い詰めるきっかけは、悪意ではなく、善意にしたかったんです。」それが直美さんが見に付けていたペンダントか。「巻き込んでしまってごめんなさい。このままだとあなたも殺される」と自責する直美さんの気持ちも分かるし、「いいえ、巻き込んだのは私の方」と捉える哀ちゃんの気持ちも分かってしまう。
  2. そういえば、天国へのカウントダウンで少年探偵団がビルの中で孤立するきっかけも親切心からだし、老若認証システムは、カウントダウンで登場した「10年後の姿を予測するゲームシステム」が進化したシステムだ。やはり今作、あらかじめ天国へのカウントダウンを鑑賞することで初めて完成する映画……! 金曜ロードショーでは、天国へのカウントダウンこそ放映するべきだった。
  3. 「(前略)そして、2人の「守る」「守られる」の精神的支柱には蘭がいなければならない。コナンと灰原が守り、守られしながら窮地を脱出したときに、思い出してほしいのは、蘭のことなんです。コナンと灰原には、自分達は蘭にも守られていたのかもしれないと思い出してほしい。」全蘭哀ファンはパンフレットを買え。繰り返す。全蘭哀ファンはパンフレットを買え。櫻井さんの言葉を読んで、初めて作中のあのキスシーンは完成する。
  4. キャラクター紹介、哀ちゃんだけ組織ページに放り込まれてるのしんどいんだが? 地獄か?
  5. 蘭ちゃんの紹介文に「新一の彼女」って書かれていると、未だにウホッってなる。だって2005年くらいから2人の恋を見守ってきたもんだから。
  6. ウォッカの紹介文「武器類ばかりでなく、あらゆる乗り物や情報機器の扱いも得意とし、交渉役などで単独行動することもある。」そういう認識は私にはなかった……。
  7. 松井さんのおっしゃる園子のアドリブってどれだ!? 自然すぎて全然分からない!
  8. 冒頭からべろんべろんに酔っぱらった小五郎に合わせてコメントする小山さんのノリの良さよ。
  9. 「志保がいつもお世話になっております。」ですって? お世話になっているのは私たちファンの方です。
  10. コレクターズクラブ生写真セットの左下の、風見刑事の表情どうなってんの??? これだけ切り取ると変態以外の何者でもないよ。
  11. フサエブランド限定ブローチ! 作中のアクセサリーが現実でも発売されるとは! 哀ちゃんも蘭ちゃんもフサエブランド好きなんだよなあ、このブローチじゃなくても、2人でお揃いとか色違いとかで付けてくれないかな(願望) 言わなきゃコナングッズとは伝わらずに、ビジネスシーンや大事なお顔合わせみたいな場にも馴染みそうなデザイン。人とリアルで顔を合わせる機会が多ければ、私買ってる。