読書記録

読んだ本の感想まとめ。

みんな違う。 それでも、チームで仕事を進めるために大切なこと

信頼する人からおすすめされて知った本。
語り口調が穏やかだし、心理学に基づいて理論的に人間関係の課題解決について提案されているから、すごく腹落ちするし視野が広がる。
やっぱり信頼する人から紹介された本って読む価値がめちゃくちゃ高いな、と思った。
というか私が今できていること、「メンバーの長所に目を向ける」「原因と解決策をセットで考える」「まず自分から他者に関心を寄せ、信頼する」くらいじゃないか?

まずリーダーとメンバーはフラットな関係、という導入なのがよかった。
私はリーダーとメンバーが上下関係だとは思っていないし、従来のピラミッド型のチームは性に合わない。
困ったことやしんどいことはすぐにSOSを出してほしいし、私からも出す。チームの中で私が一番仕事ができるわけじゃないから。
リーダーだからこそいろんなメンバーに依存しまくる。
リーダーの一存で、リーダーだけの都合で決められることなど何ひとつない。リーダーの都合だけでメンバーに何かを強いるなら、それは誠心誠意謝罪しなければならない。私はそう思っている。

2章 価値観をチューニングする

何よりここ3日くらい「被害を被った」「価値観がかけ離れている」と精神的苦痛を感じていた心の鎧が、少し緩められた。
別に相手のやり方に無理に倣う必要も、私のやり方を正義とする必要もないのか。相手の価値観を100%理解しようとする必要すらないのか。否定しないだけでいいのか。
「私の価値観はこうです。あなたの考えはそうなんですね。では、どう折り合いをつけますか?」というすり合わせができれば。
これが自然とできるようになるには、相当な訓練が必要。

でも怠ったり知らなかったりして、自分の価値観こそ正義だと主張し続けることは、戦争に繋がる考え方だ。
人を殺したくて戦争が始まるわけじゃなくて、自分の価値観こそ正義だと思い、合わない価値観を断罪したいからこそ戦争が始まる。
人は、善悪のためならどこまでも残酷になれる。これは人類の真理。

3章 部下の言動に反応しすぎない

一番耳が痛い章だったけど、「自分の課題と相手の課題を混同して苦しくなる」「リーダーがやたら忙しくなる」「贔屓と捉えられると人間関係がこじれる」という問題にはぐうの音も出なかった。
「勝手に不機嫌になってる」という捉え方は、さすがにまいった。そういう発想はなかった。

私の場合日々SNSで第三者の思考に触れているし、小説を書くという行為はキャラクターの思考を想像して自分なりに解釈するということ。
だから他者の言葉や仕草や反応から感情の機微を裏読みしてしまうのは、私にとって呼吸のようなもの……。
私は口頭コミュニケーションよりテキストコミュニケーションを得意としていることもあって、相手のちょっとした誤字脱字から語尾、行間の作り方、句読点の打ち方みたいなところから相手の感情を読み取ろうとする癖がある。
たぶん会議で顔を合わせたときの表情や仕草から忖度するより、上記の方がずっと自然にやってる。

私は上昇志向なんて微塵もなく、むしろ将来的に私がリーダーを辞めてチームを去るとき、ブレないチームになることを願っている。
だから、こちらから先回りして気を遣っていると依存度が高くなるリスクは確かにある。
それが行き過ぎると、私がリーダーじゃないと報連相に支障が出るチームになってしまう。その姿は絶対に違う。
ぐっとこらえてメンバーからの発信を待つのも、チームへの愛情なのかもしれない。すぐに身につく能力ではないが……。

でも、メンバーが明らかに体調不良が続いていたり、休職明けで不安定だったりするときにも、発信を待った方がいいのだろうか?
私は末っ子で甘やかされて育てられたし、後輩や年下の指導経験にも乏しいので、元来面倒見がいいわけでは決してない。
そんな私がこんなにもあれこれ心配になっているのは、やっぱり、社会人になってからの経験がトラウマになっているんだと思う。
自己発信ができず体からのSOSが出るまで放置してしまったかつての私や、全然気にかけてあげられずに離れ離れになってしまった新人さん・後輩さんへの負い目がある。

4章 安心・信頼できる職場をつくる

心理的安全性も共同体感覚もあまりないチームに属している(メインじゃない)からしんどいです。
その改善に向けてリーダーなら立ち回りやすいけど、一メンバーだとリーダーのやり方にそぐわない場合は往々にしてあるわけで。しんどい。やはりチームから離れるのは逃げではなく戦略的撤退なのだろうか。

5章 目的・目標を掲げ続ける

目的と目標の切り分けや目標の具体化の方法が、普段求められていることそのまんますぎてびっくりした。
私はすぐ目的と目標がすり替わる人間なので、耳が痛くて仕方ない。
目的論に関する本を読もう、と改めて思った。