読書記録

読んだ本の感想まとめ。

通い猫アルフィーの奇跡

2年半前の積み本をようやく消化した。

万人受けする大団円。
アルフィーが野良猫としてボロボロの姿で放浪するシーンや、クレアのヒモ(名前を覚えるのは脳のリソースの無駄遣いなので覚えていない)に暴力を振るわれるシーンは読んでいて辛かったけれど、満場一致のハッピーエンドでよかった。
最終的に家族同士の交流が始まって、ジョナサンとクレアが恋人同士になるとは……いやごめん、知ってた気がする。特にジョナサンとクレアがくっつけばいいじゃんって、なんならアルフィーより先に願った気がする。

アルフィーは、分散投資の原則を自分の人生で実践しようとしているのね。
たった一人の拠り所が失われる恐怖は汲み取りたいけれど、作中でもあったようにごはんをあちこちの家でもらっていると食事管理が大変だし、いつも移動ばかりで忙しないし、かなり高度なマルチタスク能力が問われる気がする。
あと、通い猫という状態を関係家族全員が受け入れるかは正直運だ。怪我したとき、病気になったとき、お別れが近づいたとき、責任や時間/金銭的負担はどれくらい分散されるのかはよく話し合いが必要。
一人暮らしの猫飼いも、もちろん通い猫も簡単じゃあないね。

クレアはアルフィーのおかげでダメ男ばかり引き寄せる人生から脱却できたし、
ジョナサンは自分の都合だけで他人を懐柔しようとする恋人から逃げられたし、
ポリーは育児ノイローゼから回復しつつあるし、
フランチェスカはホームシックに打ち勝って新しい縁を築いた。
みんなみんな、アルフィーがいなければ繋がらなかった人生。彼の洞察力と行動力に拍手。