読書記録

読んだ本の感想まとめ。

幼馴染で婚約者なふたりが恋人をめざす話

頭を使わずに気楽に読める作品。主役の2人の関係を揺るがすほどの大事件は起こらないので、安心して読める。読書における消費カロリーが少ない。気力に余裕がない時に読みたいシリーズになりそう。
ラノベは三角関係やハーレムものがほとんどだと思ってたけど、あるんだ、物語冒頭からゴールが固定されてる作品。
半同棲とか高校生が投資で生きてるとか非現実的な設定だらけだし、2人が周囲からの視線に鈍すぎるとか色々ツッコミどころはあるけど、こまけぇこたぁいいんだよ。2人が幸せならそれで。

2人は冬山の事故をきっかけに、恋愛感情より先に人生のパートナーへの愛情を知ってしまったんだと思う。

高校生男子に幼さを武器に猛アタックする女子小学生にかなりまともなアドバイスをしている。受けが未成年の恋愛ものは齢を取るにつれ受け入れ難くなってきたので、そこをきちんと線引きしているところが好印象。
美羽ちゃんは雪菜の次に敵に回してはいけない人物だと思う。その陥落テクはどこで学んできたの……。

俺たちは大抵、お互いの反応をほとんど予想出来ていて、そういう状況に慣れきっていた。そんな中で、慣れていない行動を取る事になった事で――あまり相手や自分自身の反応が予想できない事を、無意識に不安に思ってしまい。

ここは、ちょうど今読んでいる『わかりあえないことから』で著者が語っている「コンテクストのずれ」だと思った。簡単に見えるけれどコンテクストの外側にある言葉、それを展開が進むにつれ解消できたから、照れずに恋人繋ぎができるようになったんだと思う。
なるほど、およそ少女漫画におけるヒーローとヒロインのすれ違いは「コンテクストのずれ」と言い換えることができそう。
……せっかく頭を使わずに読める本なのに、また小難しい話と結び付けてしまった。

語調の表現に時折♪マークが混ざるのと、ヒロインのあははっという笑い声をそのままセリフに入れているのは好きじゃない。まあ、ライトノベルだから許容範囲か……。