読書記録

読んだ本の感想まとめ。

早朝始発の殺風景

早朝始発の殺風景

主人公の早起きの理由も想像を上回るものだったけど、女子のそれの方がずっとヘビーだった。
一介の女子高生が抱えるには重すぎる。
でも、彼女の思惑が成功すればいいと思ってしまう。
犯人には残りの人生、痛みと恐怖と絶望に苛まれ、最期はこの世で想定できるうちの最も苦しい死に方をしてほしい。
生爪を一枚一枚剥がされるとか、手の指を刃物で一本ずつ切り落とされるとか。

メロンソーダ・ファクトリー

これも女子トークからのちょっとした行き違いかと思ってたら、そこそこヘビーな真相が明らかになった。
3人が行き違ったままのラストにならなくてよかった。
ノギちゃんが機微に敏感で、洞察力が高い子でよかった。
実体験できるアプリなんてあるのね。

これは下調べにかなり時間を割いただろうし、真相編の描写にも気を遣っただろうと思う。
タイトルに「ファクトリー」を付けた意図は、私には読解できなかった。

私が主人公の立場だったらめちゃくちゃ自責するだろうし、どんな言葉で謝罪しても気が済まないだろうな。
鈍感すぎて嫌になるよね。

夢の国には観覧車がない

恋のチャンスを、観覧車の頂点(いつの間にか過ぎている)に例えているのが秀逸。

男二人の観覧車。絵面がつまらん。
ヒロインの失恋話はしんどいけど、野郎のそれは情緒があまり揺れなかった。
「そっかー、仕方ないね」って感じ(酷い)
いい後輩を持ったね。

主人公が最初に辿り着いた結論は正しかったと、私も思うよ。

捨て猫と兄妹喧嘩

「こうじゃなきゃいい」という、推理では決してない単なる予想が当たってしまった。
主人公が全部、もやもやした違和感を言語化してくれた。
捨てる前にさ、友達に頭下げて回るとかできなかったのか。命に責任を持ってくれ。

三月四日、午後二時半の密室

卒業式後に発生する、元クラスメートとの友情(未満)だと? 面白!
「三年間のロスタイムみたいなこの数十分」っていう表現が好き。
2人の関係、なんだかんだで大学入学後も成人後もゆるく続いてほしい。LINE ID交換したんならワンチャンある。

エピローグ

今まで読んだ、バラバラだったはずの短編の登場人物がリンクしてるー! こういうの好き!

明言されてないけど、殺風景さんは復讐を遂げたってことだろうか?
加藤木は彼女のこと好きになっちゃってるじゃん。無自覚だけど。