読書記録

読んだ本の感想まとめ。

涼宮ハルヒの退屈

涼宮ハルヒの退屈

野球のルールなんて1ミリも知らない私でも、表題作を野球好きが読んだら怒りで本を引き裂くであろうことは分かる。イカサマってレベルじゃねえ。ぶっちゃっけこの話はこの世の全野球ファン、いやスポーツを愛する全人類への冒涜……、でも面白いから嫌いになれないんだよなあ。

笹の葉ラプソディ

初めての読了時、長門有希の行動、というか得体の知れなさに戦慄した覚えがある。彼女に強烈に惹かれた最初の話、だったかもしれない。この話の魅力が真に分かるのは、読者が消失編を読み終えたあとだろう。

孤島症候群

この話をミステリマニアが読んだら怒りで本を(ry

往々にして伝聞情報には余計なノイズが混じっているものなのよ。(中略)重要なのは一次情報なわけ。誰かの目や手を通した二次情報は最初から疑ってしかるべきなの。

SNS社会の真理を突いてると思うし、「自分の視界に入る以外のものほとんどが信じられない」というキョンのツッコミも正鵠を射ている。この本の発売日は2003年で、まだTwitterFacebookが生まれる前の時代だけど、先見の明がある作者が末恐ろしい。

ほとんどが信じられない、だからこそ各報道機関にはできるだけ報道側の推測や意見を排除して、まず事実を正確に伝えてほしいんだけど、現実は不確定要素を多分に含んだ情報ばかり。受け手側が卓越した情報の読解と取捨選択能力を強いられる毎日……。
二次情報を自分なりに裏付けを取らずに拡散して後にそれがデマだと発覚した場合、情報発信者はもちろんだけど、拡散した人間にも非はあることを肝に銘じておかなければ。

キョンハルヒを変態だとか頭がおかしいとか常々胸中で罵倒しているけど、この意見を言える彼女は、この高度情報通信社会を生きる人間としては聡明だと思うよ。