読書記録

読んだ本の感想まとめ。

本を味方につける本 自分が変わる読書術

本が世界のすべてではないこと(だから本に載っていないことは嘘だなどと錯覚してはいけない)、世の中には本を読むより大切なことがたくさんあること(だから本を読まない人を馬鹿にしてはいけない)は、肝に銘じておきたい。

正直言って、「第4章 本を手なずける」は胸糞悪い。カッターでバラバラにしろだの、解体してまた元に戻そうだの。著者は自著をバラされても痛くも痒くもないかもしれないが、傷つく作家だっているだろうよ。私が(廃棄目的以外で)昔出した同人誌を切り刻まれたらショックだし、そいつには二度と頒布するもんかって思うぞ。

本をバラす行為を許容する言葉が、さも本を出している人の総意であるかのように綴られているのが気に食わない。自分で金を出して買った本ならどう扱おうとその人の勝手だと言えばその通りなのだが……なんだろうこの腹立たしさは。
なんというか、紙の本はカバーやスピンや遊び紙その他諸々全部ひっくるめてひとつの「世界」だと私は認識している。自分にその世界を分解・破綻させる権利などないと思う。

この本、中学生くらいの子がメインターゲットらしいんだけど、多感で影響を受けやすい年齢の子らに何言ってくれてんだって感じ(口悪)

紙の本への言及のみで、電子書籍についてまったく話題にならないのが、ああこの時代はまだまだ電子書籍黎明期だったんだなと(この本の初版発行は2012年)。