読書記録

読んだ本の感想まとめ。

アンガーマネジメント

アンガーマネジメント (日経文庫)

アンガーマネジメント (日経文庫)

理屈→テクニックの順に体系立てて説明された本で、自分にはとても合っていた。表紙が素っ気ないけど、アンガーマネジメントの入門書としてお勧めできる。

第1章 なぜ、いま必要なのか?

マズローの欲求5段階説の中の安全欲求は有名だけど、安全は安全でも物理的な安全ではなく「心理的安全性」か。そんなの意識したことなかった。でも、組織に属するなら必要だよな。

第2章 怒りはどこから来てどこへ向かうのか

「怒りは結果を出すためのモチベーションに使うこともできる」
理屈としては分かるし、実際怒りのコントロールが上手い人は実行できるんだろう。でも私みたいに怒りによるエネルギーの消費が激しくてすぐ疲れる人は、極力怒らない努力をした方がいいと思う。

怒りを建設的な行動に変換できるのは、一種の才能だよ。自己肯定感が低い人間にはできない。

第3章 怒りの構造を知ろう

怒りという第二次感情に到達する前に、第一次感情(不安、困惑、心配、落胆など)の時点で言語化して消化したり、相手に伝えることが必要なのね。ただこれは、自分の感情に鈍かったり言語化が上手くなかったり語彙が貧弱だったりすると詰むだろうなあ。……国語の勉強って大切だよね。

読んでると、怒りって第一次感情の時点でさっさと対処すれば、ほとんどは「怒る必要/意味のないこと」に思えてきた。
じゃあ逆に、「怒るべき時」ってどういう場合? どういう例が考えられる? むしろそっちの方が分からないんだよな。違うな? 発症以降「分からなくなった」のか。自分が守るべきコアビリーフなんて、誰かのコアビリーフの前では塵同然だと思ってる。

第4章 アンガーマネジメントの仕組みと分類

成功体験を記録する「サクセスログ」は、ほめ日記に通じるものがあると思った。自分が今やっていることは、方向性としては合ってるんだな。

第5章 怒りに巻き込まれたときの対処法

第5章の「怒りに巻き込まれた時の対処法」は、これ自体を一冊の本にできそうだし、章としてじゃなく本として読みたい。

「送別会や半期に一度の飲み会に出ないか」という誘いに「強制するのはパワハラです」と切り返されたという事例。
確かにこれはパワハラを盾にしたあまり上手くない断り方だと思うけど、この飲み会が業務時間外に行われる会で、尚且つ各社員の自腹であれば「お願い」の域を出ないわけで、断ることそれ自体を糾弾されるいわれはないよな。
時間か費用どちらかが会社負担なら強制力が発生すると思うけど、そこまで言及されてない。