読書記録

読んだ本の感想まとめ。

喪失学 「ロス後」をどう生きるか?

序章 人生は失うことばかり

ペットの死

ペット(愛玩動物)に変わって「コンパニオン・アニマル(伴侶動物)」という呼び名が欧米を中心に広がってきているそうだ。私も家庭内で飼われる動物に従属の意味を持つ言葉を充てがうのは違和感があるので、日本でもこの呼び名が定着してほしい。

第2章 喪失がもたらす影響

子どもの悲嘆反応

喪失に対する子どもの反応として、(中略)主な感情的な反応としては、罪悪感がみられ、喪失の原因の一端が自分にあると思い込み、(後略)

ねえこれ完全に今の自分なんだけど。もう成人してからしばらく経つんだけど。体は成長しても、心は母を亡くした13歳当時のまま止まっているのか。
喪失直後はその死から意識的に目を背けて、しばらくしてからたまたま偶然自己肯定感を爆上げする趣味と出会って、なんとか人並みの生活を送るようになったけど、ここ2年ほどは心の奥底に眠らせていた罪悪感と自責の念にたびたび襲われている。
当時は今よりずっと語彙が乏しかったせいで、自分の気持ちを言語化することすらできなかった。

第3章 喪失と向き合うために必要なこと

気持ちを言葉にする

自分は気持ちを言語化するのが得意なので、故人へ(実際には出せない)手紙を綴るのはいい試みだと思った。最近、左利きでも快適に使えるボールペンを手に入れたことだし。投函する体で封入して宛名を書いて、また泣いた時に読み返せば、抑うつから立ち上がる手助けになる……かもしれない。

後ろ向きのままでもいい

(前略)後ろ向きのままでも、自分自身をだましだましながら、日々の生活のなかで今の自分にできることをこなしていくうちに、結果的に少し前進していることもある。

今の自分に一番ちょうどいい言葉。私サイズ。前向きになれ、悲嘆するなと言われてもうつ病患者としては自力ではできないので。

物事のいい側面に目を向ける

これは一理あるなと思う。特に3.11や現在のコロナ禍を思うと、母が早逝したのは悲劇ではあったけれど、あの大震災やコロナ苦境に直面せずに済んだのはよかったのかもしれないと、時々考えることがある。

(前略)つまり、「自分が何を失ったのか」ではなく「自分には何が残っているのか」に目を向けることが大切であるという。

ハッとさせられた。これなら自分にもできるだろうか。言葉にするより実行する方が5億倍難しいけど。

第6章 自分の喪失を振り返る

喪失体験に関する10の問い

精神を病んでいる人間がやるもんじゃないね。ものすごくMPを消費した。その割に、得られたリターンが何もなかった。最後が「将来、大切な何かを失うことを見据えて、あなたが今できることは何ですか?」という質問なんだけど、そんなこととっくに認識した上で半年以上前から実現に向けて全力疾走してるわ! この章だけは時間無駄にしたな……。