読書記録

読んだ本の感想まとめ。

真壁家の相続

真壁家の相続 (双葉文庫)

真壁家の相続 (双葉文庫)

相続って、法的な殴り合いだとつくづく思う。「我が家は揉めない」って思ってる親族ほど揉めるし、弁護士引っ張ってくる気がする。我が家も弁護士雇って殴り合った末に絶縁状態になったから、胃をキリキリさせながら読んだ。今トラブルの渦中だったら読めなかったに違いない。金の前では家族の絆なんて塵と同じよ。

こんな言い方はあれだけど、成人したら、相続に関する本は親族の誰かが亡くなる前に触れておいた方がいい。

表紙は5年くらい前だろうか。笑顔が哀愁を誘う。

だいたい、どうして主人公が法学部に通ってるってだけで意見を求められたり、仕切り役をしているのか意味不明。特に実子達が受け身で多少なりともイライラする。いい齢なんだからもっと兄弟間で解決しようとする努力をしてくれ。

ラストは分割支払であっけなく円満解決して拍子抜け。もう30ページ分くらい引っ張ってほしかった。……ごめん、我が家が揉めたからちょっと僻みが入ってるかも。

このタイミングで妊娠の話題をふっかけた香澄は要領がいい。

そして誰より、真壁家の相続問題から真っ先に身を引きつつ、最も多額のお金を手にした主人公の母が一番賢い。作中作と違い、介護に貢献した人が救われてにっこりした。