読書記録

読んだ本の感想まとめ。

乳がんでもなんとかなるさ~独女マンガ家闘病記~

3話まで読んだけど、著者と価値観が乖離していて途中で読むのをやめた。
特に、自分の病気の相談を、同じ病名を冠しているだけの赤の他人や、乳腺専門じゃない医者にしているシーンが無理だった。
受診した病院の医者に全部聞けばいいのでは? 治療における患者の疑問を払拭するのは医者の仕事でしょ。
あまり、地に足のついた闘病記という印象を受けないというのが正直なところ。

1話 告知と孤独

私は告知の時「家族や友人を連れてこい」なんて言われなかったけど、病院によって対応が違うのかなあ。
本人だけにさらっと告げてくれた方が、個人的には楽だったな。
余命宣告するわけじゃないなら、あんまり仰々しいのはちょっと……。

2話 ひとりじゃない

病名が決まる前に、体験ブログを読んで不安を増大させるって悪手じゃない?
負のループにはまってしまうだけな気がする。

女性としての自尊心が人より薄い人間だが、2~3年も片乳なのは嫌だと私も思った。
特に夏場は乳がん患者ってことが丸分かりじゃんか。

お姉さんの価値観が前時代的で辟易した。一生独身って罪なの?
私の将来の夢は、単身世帯向け住宅での孤独死です。
しかも、保険に入ってないことも非常識と言わんばかりに糾弾してらっしゃる。
民間の保険料が払えない経済状況の層が視界に入ってないんだろうな。

3話 辛い時こそ笑え

この考え、私はあまり好きではない。
辛い時に無理して笑って自分の感情を誤魔化してると、それに慣れてしまって、自分の感情を正しく捉えられなくなる気がするし、必要な時に周囲にSOSが出せなくなる気もする。
それに例えば、コロナにかかってベッドをのたうち回っている人に同じセリフが言えるのか? と考えたら、とても言えない。
これは窮地にいる本人が心掛けたいと思うならそうすればいい思考であって、第三者が安易に口にしていい言葉ではない。

それから、医療知識を持たない人に、同病者とはいえ自分の病気の大事な選択について、判断を委ねるような聞き方をするのはいただけない。
疑問があるなら、受診した病院の医者に全部ぶつけるべきではないのか?
患者の治療に関する疑問を解きほぐしていくのは医者の仕事じゃん?
その、本名も住所も知らない「同病者」は貴女の病気に責任を取ってくれないが?

血縁者でも所詮他人は他人で、本人にがんの経験がない限り、向こうとしても接し方に右往左往している状態。
余計なストレスを抱え込みたくないなら、がんの告知自体をしなくていいと私は思うよ。
独身一人暮らしなら、帰省しない限りバレないでしょ。

また、医者とはいえ乳腺専門以外の人に相談していてもやもや。
この著者の人生、それでいいんだろうか。信憑性の薄い意見に頼る人生で……。