読書記録

読んだ本の感想まとめ。

彼女が生きてる世界線!(1): 僕が悪役に転生!?

本来敵対関係にあるはずの蓮太郎とどんどん親密になる(新生アクトは無自覚)ところといい、父親相手にビジネスの取引をして懐柔を試みるところといい、徐々に周囲の使用人たちの信頼を得ているところといい、取り巻き2人から棘がなくなっていくところといい、もうすっかりアニメ本編とは乖離していて笑う。
もうすでに城ヶ崎グループが没落しないルートが生まれてるだろ。
いや~、面白い転生ものを読んだ。男性主人公のやつはほとんど読んだことがなかったけど、旧アクトと新アクトのギャップが周囲の人間に、いや世界に今後与える影響が楽しみで仕方ない。

がんという病気のなんたるかが平易な言葉で説明されていて、めちゃくちゃ分かりやすいし勉強になる(ガチのがん患者の言うセリフとは思えない)
でも白血病(血液のがん)だと闘病生活が半年ちょっとしかない場合もあるのか………………。
胃がんとかも末期になったら速いって主治医が言ってたな。

抗がん剤治療の説明として「首の血管にチューブをさして」って書いてあるけど、通院治療の私は普通に腕に注射だよ?
チューブってなに!? 入院治療に入ると首に刺すのか? 怖すぎなんですけど。
あと副作用について、モブ医師が断定口調なのも気になる。
髪の毛はまあ99%抜けるけど=禿げではないし、今は抗がん剤と一緒に制吐剤を投与+錠剤の吐き気止めも処方されるから、吐き気が起こるかは人によるんだわ。
この小説、かなり古い時代の治療方法をもとに書かれてないか? かなり不安になる。
⇒あー、なるほど。世界が違うから、この世界では前世のがん研究よりも研究が進んでいないのか。
だからもしかしたら、制吐剤も腕に刺せるほど細さの抗がん剤用注射針も存在しないのか。めっちゃ納得した。

彼女の病気を治すために、課金ガチャが存在しない世界で課金システムを提案する。
課金トラブルという災禍が予測できていながらも、それを必要な犠牲と捉える。
きたきた、たった一人のためのクソデカ感情。

水を差すようであれだけど、抗がん剤の開発って2年半くらいでどうにかなるものなのかな。
まず薬の開発~販売までが、最低10年弱はかかるって聞くよ。
抗がん剤は副作用も一般薬とは雲泥の差だし、治験にも時間がかかるだろうし……。
それとも、世界が違うからそこらへんはご都合主義なのか?

主人公の前世とはいえ、児童書に明らかなブラック企業勤めの社畜が登場することに息がヒュッってなる。
交通事故で前世が終了したのは、運命というより過労による不注意なのでは……。