でも主人公の気持ちを解釈するのは、子供時代からしばらく経って当時を俯瞰できる程度の年月が必要ではないだろうか。
個人的には、読む季節によって印象が左右される可能性があると思った。真夏に読んだらなんだか白けてしまって、主人公がベンチで眠りこけている間に見た夢に違いないという感想を抱いたかもしれない。周囲の環境がクリスマスシーズンとはかけ離れすぎているとダメかも。読む季節は間違えない方がいい。
カールの15の時の苦い思い出も含め、男が語ったこじつけが真実だったらいいのに、と期待してしまうのはクリスマスだからだろうか。真実だったら、もうダメ親父だと思わなくて済む。
男とカールのお父さんは、ひょっとして知り合いだったのだろうか? と思わせてくれる余韻がいい。