こんな物語を書ける作者は頭がおかしいと感じる読者もいると思うが、何を隠そうその通りである。自分自身書く人間だから分かるのだが、ジャンルにかかわらず、小説を書く人間は漏れなく頭がおかしい(褒め言葉) 架空の人物を脳内に生み出し、そいつを文字の上で殺したり悩ませたり泣かせたりするなんて、正気の沙汰じゃできない。執筆中は人体には有害な麻薬成分が脳を汚染してる。
なんの前触れもなくR18シーンが現れたんだが、小中学生に向けて注意喚起しなくていいのか? あっ健全な小中学生はこんなタイトルの本読まないですね。
この世には好きでもない男に抱かれることを許容できる女性がいると理屈では知ってるけど、死んだ最愛の恋人の親友に自ら抱かれにいく女性の心理は理解の範疇を超えている。精神が正常ではない自分に理解できないのだから、健常者は尚更理解不能なことと思う。
自殺幇助者セリーヌに対して読者に抱かせる先入観がすごい。語り手の一人称が「ぼく」だと、勝手に男性だと脳内補正されてしまう。
死は幸せになるための選択肢だと考えている人もこの世界には確実に存在する。しかし、彼らはそれを声に出せない。なぜならこの社会で死にたいなどと発言すれば、それは心の病であると認定され、治療が必要な患者として扱われることになるからだ。
分かりみが深い。希死念慮をひた隠しにする技術だけ上手くなっていくよね(笑)
死に方の中に、生き方が含まれているんだ。
自分が編集者なら、この一文を煽り文に採用したい。
由乃の過去は虚偽もしくは欠落しているとは思っていたが、想像以上に重かった。主人公視点で読むとトゥルーエンドかもしれないが、由乃視点で読むと完全にバッドエンド。「自分のために生きてくれ」って2000%エゴだし自死を止める言葉としてはあまりにも薄っぺらくて、主人公には申し訳ないけど白けた。逝かせてあげてほしかった。