読書記録

読んだ本の感想まとめ。

しないことリスト

しないことリスト (だいわ文庫)

しないことリスト (だいわ文庫)

  • 作者:pha
  • 発売日: 2018/09/12
  • メディア: 文庫
2~4章に共感できることや納得できることが多かった。特に4章の期待しないリストは、物事の本質を突いているものが多かったように思う。
日本人はあらゆる「べき論」に自縄自縛されて喘いでいる人が多いから、生きづらさを感じている人が読めば楽になれる本。

有能な怠け者は指揮官にせよ。有能な働き者は参謀にせよ。無能な怠け者にはルーチンワークをやらせろ。無能な働き者には一切の責任を与えるな。

昔の軍人の言葉が胸を突き刺す。私は無能なので、せめて怠け者でありたい。

二択で考えない
二択で考える習慣が、自分と違うものを切り捨てる思考、長い目で見て人種差別や迫害の道に繋がっているかもしれないと思うと、歴史を繰り返してはならないと思う。し、成人として「虐めはやめよう」と語るその口で、立場や事情を考慮せず一方的に人の意見を否定してはいけない。

少数のたまたまうまくいった成功例を一般化してはいけない。/『努力できる』という能力も恵まれた環境の産物
肝に銘じたい。私は愚かなので、生まれながらにしてあった環境や、努力せずとも与えられた環境は誰もが当たり前に持っているものではないということに、社会に出るまで気付かなかった。
「自分はこういう努力をした。だからお前にもできて当然だ」なんてことを相手の環境や事情を知ろうともせず一方的に投げつけたら、相手の自尊心を殺しかねない。相手には相手なりの環境と、のっぴきならない事情があることを想像できない人間は、想像力が致命的に欠落している。

他人とはそもそも理解し合えないもので、たまに意思疎通ができたらラッキー。

意思疎通ができる、自分の意図を相手に正確に伝えられるという前提でコミュニケーションを取ることが、そもそも間違っているのだと思う。

議論が得意な人は優れているというよりも、単に議論というスポーツに勝つことが好きなだけ。

自分含め、全ツイッタラーは100回読んで頭に叩き込んだ方がいい。議論を自己肯定の道具にしても、自分が苦しくなるだけ。

長生きしない。義務教育後は余生。人間はどうせ必ず死ぬし、長生きしても所詮十年とか数十年の差に過ぎなくて、宇宙や地球の何十億年の歴史に比べるとゴミクズみたいなものだ。

一番心が楽になった文。長生きしたくないってリアルで言うと大体変な顔されるからもう言わないけど、この思想は人生で一番大事にしたい。
100歳まで生きて老衰で死んだって、50歳で重病になって死んだって、大して変わらないじゃんと常々思う。たった半世紀長く生きたからってなんだっていうのさ。