読書記録

読んだ本の感想まとめ。

クマのあたりまえ

クマのあたりまえ (ポプラ文庫ピュアフル)

クマのあたりまえ (ポプラ文庫ピュアフル)

べっぴんさん

このあだ名が飛べないことへの揶揄だったと悟り、背筋が寒くなった。社会的に生きる人間だから、「普通」から外れてしまった人に(障害者年金や生活保護など)救いの手を差し伸べられるけど、野生の動物の場合、「普通」から外れてしまった個体は輪から弾き出されて野垂れ死にするか、餌になるだけ。それは自然界では差別ではなく淘汰だ。
差別という言葉は、人間が社会的に生きてきたからこそ生まれた概念なのだ。私、人間に生まれたことで大分救われてるのかも。

ショートカット

ひょっとしたらさっき道ですれ違ったあの人は、上手いこと人間社会に紛れ込んだ元野生動物かも? と空想してみると、落ち着かない気分になって尻が浮く。

朝の花火

善人が命懸けで誰かを救うより、悪人のそれの方が印象に残ってしまう。プラスがプラスになるより、マイナスがプラスになる方がストーリーに厚みが出るからかな。
結局、女の子は声の正体に気付けないままだったね。それでいいんだと思う。アオダイショウは、彼女が真実を知ることを望んでいないだろう。