もし第3弾が出たらまた読みたい。
トロイメライ
数十年の歳月を経て気候が変わり、春の始まりを教える花となったひまわり。気温36度が、春??? 勘弁してくれ。現実にならないとは言い切れない。
家族の空席を埋める、人間と見分けがつかないロボット。虚無と捉える人もいるだろうが、私はそれはそれでいいと思う。ペットを生きがいにしている人がたくさんいるように、ロボットが生きる理由になることだってあるだろうし、生前とは別に、そのロボットとの絆が生まれることだってあるだろう。
人間の代わりに、人間と瓜二つなロボットに戦場に行かせる。どれほど戦争の形が変わろうとも、理屈に合わないことをやっているという本質は変わらない。ロボット自身には精神がないから、攻撃されて苦しいとか、もう一度家族に会いたいなんてことを思うのは不可能だ。でもだからといって、誰も傷つかないわけではない。何も感じられないロボットの代わりに、周りの人間が哭く。学生時代からの相棒であるソラタを戦場に行かせることになったパパの気持ちを思うと……。
神様は人間に、人間同士で血を流さなくても済むようにと、話し合うための言葉と知恵と哲学を与えてくれたのかもしれないのに、人間はそれを戦争のために使う。
いったい誰が、戦争なんてしたいの?
日本人みんなが、かもしれない。
政治の真理だと思った。戦争をやろうなんて言い出した国の代表を選んだのは、他でもない自分達である。サイレントマジョリティーは罪だ。間違った選択肢を選んでしまった大人達と、後世でその尻拭いをさせられる子供達。どちらも不幸である。
歴史を変えたら、主人公や弘志くんの両親は一緒にならないかもしれないし、そうなると二人は「世界の誰とも繋がらない二人」になる可能性もあるわけだけど、それでも未来を変えることを選んだ少女達に拍手。