読書記録

読んだ本の感想まとめ。

フィンランド公共図書館: 躍進の秘密

フィンランドの図書館は、世界の中でも芸術サービスの最先端を爆走している。もはや図書館というより「文化創造館」と呼んで差し支えないと思う。日本の図書館が劣っているわけではなく、フィンランドが最先端すぎるのだ。生まれ変わったら北欧の図書館に住みたい。

住民サービスとの融合やマイナンバーの活用術を知ると、どうしても隣の芝生が青く見えてしまっていけない。でも、日本の図書館がフィンランドの図書館に向かって誇れるところって何かあるだろうか。レファレンス、検索予約システム、貸出返却の機械化、企画展示、ビブリオバトル、絵本の読み聞かせ……全部フィンランドの図書館でも導入されているよね。

高校図書館の司書の方が書いた新書を読んだ時も思ったのだけど、日本では図書館職員の能力が軽視されすぎ。レファレンスだけでも高度な教養と知識を要求される、超専門的な職業だぞあれは。

誤字脱字が何箇所も見受けられて少し萎えた。

オーディ図書館

最も「文化創造館」の名が相応しい複合施設。たぶん北欧の数多ある図書館の先端を爆走している。イベントがいっそ引くレベルで充実していて、「仕事も読書も研究も芸術も余暇もものづくりも全部ここで完結する」感がある。フローティングコレクションはぜひ日本でも導入してほしい。行政が嫌いな「費用」の節約になるでしょ。

イソ・オメナ図書館

出不精としては、図書館とあらゆる行政・医療サービスが融合している環境は、羨ましいが過ぎる。用事はなるべくコンパクトに済ませたい。「育児パッケージ」は日本の全区市町村で導入してほしい。産めよ増やせよって言うなら、子育て初めてセットくらい用意してよねって話だわ。待機児童ゼロ? 次元が低すぎて泣ける。

カッリオ図書館

職員と利用者がタッグを組んで図書館運営していると言っても過言ではない環境、図書館で結婚式を挙げるカップルがいることに驚愕。日本じゃ一切聞いたことがないが、自分の知見が狭いだけだろうか?

エントレッセ図書館

私の地域にも自動返却機が導入されないだろうか。貸出は機械化されたけど、返却も予約本の受け取りもまだまだ人件費がかかっている。どう見ても大変そう。あんな作業、全部機械化してしまえばいいじゃん。それよりもレファレンスやイベント立案等、煩雑な業務にもっと人件費を割いてほしい。

それからドッグセラピーがいたり、ペット入館が可能なんて日本じゃ考えられない。同じ「図書館」と名の付く施設なのに、この違いが不思議。

また、バリアフリーの意識についても考えさせられた。私自身に社会的ハンデがある負い目からか、健常者と障害者とを区別する癖がついてしまった。この考え方だと、診断名が付かないにもかかわらず仕事や生活に支障があるいわゆる「グレーゾーン」の人達の存在を無視することになってしまう。ボーダーレスを具現化するのは個人ですら難しいのに、世界全体で目指すなんて目眩がする。

サウナラハティ図書館

時間になったら地域民に解放されるのはとてもいいと思う。子供って家庭と学校とでほとんど世界が完結しがちなので、たくさんの大人と接する機会があるのはいい。「偽ニュースを見極めるには」の8項目が、ツイ廃民として身につまされる。