読書記録

読んだ本の感想まとめ。

勇気の花がひらくとき―やなせたかしとアンパンマンの物語

アンパンマンは、やなせさんの信条から生まれた物語だということがよく分かった。
本書の半分ほどが幼年期~戦争中の軍隊での出来事を占めている。
伝記にしては偏ったバランスと言えなくもないけれど、26歳(終戦)までに彼の信条は培われたということだと思う。
私も幼少期は散々アンパンマンのおもちゃにお世話になったので、「運命よ、やなせたかしさんを戦争で殺さないでくれてありがとう」という気持ち。
(逆に言えば、弟の千尋さんの命が戦争で散ったことは、たぶんこの国にとって大きな損失だったのだと思う)

絵本作家としての才能も詩作家としての才能も作詞家としての才能もあってすごい。多才すぎる。
素で知らなかったけど、「手のひらを太陽に」の作詞家とアンパンマンの著者って同一人物なのか。

第9章の冒頭にある詩「絶望のとなり」が心を打った。
セリフで止められている詩って、余韻が強くて好きよ。