読書記録

読んだ本の感想まとめ。

バブル

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中高生のセカイ系、ボーイミーツガール系に目がない人はきっと好きだと思う。

好きなところ

  1. アニメーションが惚れ惚れするほど美しい。ずっと美しい。作画が崩れる瞬間などない。
  2. 制作側が「ここを見て!」ってところは、色づかいやウタの瞳の色彩のクオリティが一段階も二段階も跳ね上がるからすぐ分かる。一生見ていられる。
  3. 冒頭にオープニングが入るタイプの映画は初めて観たかもしれない。アップテンポな曲なので、テンションをバトルシーンへ向けて引っ張ってくれる働きがあると思う。
  4. パルクールのアクションに爽快感がある。現実だとあんなに身体能力が高い人間はいないんだけど、だからこそ憧憬の眼差しで見られる。
  5. 「あなたに出会ってわたしはわたしになった」「ウタに出会ってオレはオレを知った」(ごめんうろ覚えだけど主旨は合ってるはず) あ、好きです。好きな相手が主人公のアイデンティティの根幹になる系、私の原点です。ありがとうございます。もし私が中高生だったら尊さで死んでた。危なかった。
  6. ウタが泡に戻るシーンは、ウタがヒビキを助けたシーンの対比になっていてよい。個人的には海の中、ヒビキの腕の中で泡に戻った方がより泣けたと思うけど、それだとヒビキからのプレゼントが行方不明になっちゃうもんな……。
  7. ヒビキの涙…………… ヒビキが恋を自覚したとき、その相手はもう自我を失っていたのですね……………
  8. 泡はヒビキのために「ウタ」という個を持って、役目を終えたから、個を手放したんだな。この物語はきっと、悲恋ではない。

微妙だったところ

  1. 青年たちが「パルクール」に明け暮れる意味づけがされていない。少なくとも、劇中では明言されていない。疑問の声がセリフとして用意されていたのに、聞かれた側はそれをはぐらかした。意味不明。ここの意味づけがされていないと、鑑賞者はそれこそ、バブルの上に乗っているようなふわふわした中途半端な感覚のまま鑑賞することになってしまう。
  2. 大人たちが情けなさすぎ。影薄すぎ。特にマコトには一切魅力を感じられなかった。お姫様的ポジションなの? メインターゲットは中高生なの? もうちょっとかっちょいい大人を描いてほしかった。
  3. ヒビキがウタに惹かれる理由は、もっとじっくり丁寧に描写してもよかった。二人が歩み寄るまでの展開が早くね? と思ってしまった私。これが加齢だろうか(´・ω・`)
  4. あらかじめ予習しておかないと、ブルーブレイズ以外の人間関係が微妙に分からない。特にアンダーテイカーとやらは何??? 負け犬すぎて何??? ヒビキとウタの引き立て役にしかなってなかった。
  5. ヒビキが泡の呼びかけに答えたことで、泡は自我を持った。そのせいで東京タワー付近は爆発し、あの渦と決壊?が生じた。自我がヒビキの救出を強く望んだことで、自我はウタという「個」になった。ウタの存在が渦と決壊を消滅させ、その反動で東京タワーは倒壊し、役目を終えたウタは「個」=「肉体」を失った。という理解でOK?
  6. 渦と決壊の消滅後も、パルクールが当然のように続けられている?のはどうしてなの。東京復興が進んでいる兆しがあるのに。結局、彼らの「生き辛さ」とはなんだったのか。解せぬ。
  7. もっと頭の回転が速い人が鑑賞すれば、物語のあちこちに散りばめられているであろう伏線やら見立てに気付けるんだろうけど、私はこれが限界です。