読書記録

読んだ本の感想まとめ。

声優ラジオのウラオモテ #01 夕陽とやすみは隠しきれない?

まったく馬が合わない2人が、声優ラジオを通していがみ合いつつもお互いの理解を深めていく過程が丁寧に描かれていて、特に声優/アイドル好きじゃなくても楽しめた。

夕陽が神代アニメの主演に大抜擢されてからの展開はジェットコースターで一気読み。仲が悪いのに、相手をフォローする姿が不自然じゃない。

GLというわけでも友達というわけでもなく、好敵手と呼ぶのも少しニュアンスが違う、不思議な関係。最新刊を読み終えるまでに、2人の関係を言語化したい。お泊まり日のお風呂シーンは唯一GLっぽかったけど。

ライブ終了後、由美子が乙女姉さんを越えようと口にしたシーンで、脳内BGMがアイカツ1期のSignalize!になった。始めようただの憧れじゃないChance for me……

声優としてのあなたを、わたしは脅威に思う。演技を聴くたび、歌を聴くたび。上手いな、って思わされる。今あまり仕事がないのは、タイミングが合っていないだけとしか思えない。ひとつのきっかけで、きっとあなたは上にいく。わたしはそれが怖い。(後略)

千佳の焦りと羨望が同じくらいずつ滲み出ている言葉。あまりにも尊い。下手な友情より強烈に好き。お互いが憧憬の眼差しを向け合っている。いいぞ、それでこそライバルだ。由美子は千佳を見上げてばかりいるけど、本当に比較する意味もないほど実力差があると、読者としてもハラハラできない。
実力を発揮する機会を与えられるかは、声優としての技量とは違うベクトルの、人望とかオープンマインドとか冒険心みたいなものが大分左右する世界なんだろうな。

木村のストーキング行為が本気で気持ち悪いので、盲腸とかになって学校に来られなくなればいいのにマジで。2人のクラスメートであることを誇るんじゃなくて、2人の弱みを握った気になるのかよ。こういう人間がいるからアイドルファンを気味悪がる声が上がるのでは? こういうオタクにはなりたくない。清水のことを糾弾してるけど、君も一線越えてるからね。

神代監督との裏営業騒動の真相は予想通りだったけど、まさか配信野郎が退学にまで追い込まれるとは。あらゆる個人情報が特定されててザマァと思った私は性格が悪い。

2人のラジオがキャラ作りぶっ壊して継続になったのには笑った。

悪評だらけの道を裸足で歩いて、トップに昇りつめてみせる。そう思わせたのはあなたよ。

千佳の決意表明が格好良すぎて惚れた。