読書記録

読んだ本の感想まとめ。

映画『君は彼方』

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正直主人公をあまり好きになれなかった。ハッピーエンドを心の底から願えなかった。自分の中では星2。
久し振りに相性の悪いキャラクターを目の当たりにして戸惑っている。
U-NEXTのポイントを1000以上もつっこんだのに~!
これが1,500円払って映画館で観た映画だったら、むちゃくちゃにこき下ろしていたかも分からない。

病院内で泣き崩れるシーンでも、「まあ命の理を破ると、その世界線の意図しないところに影響が出るかもしれないし……」「一度生まれ直して新と出会い直せばいいのでは?」などと思ってしまった。

もやもやした理由としては、下記の3つだと思う。

  1. 全方位で努力を放棄している
  2. 友人の気持ちを知り、彼女の思いを酌んだのではなく、自分が苦しまないために嘘をついた
  3. 新の告白を保留するのではなく、聞こえなかったふりをして相手の気持ちを蔑ろにした

新は澪のどのへんに惚れているんですか??(クソ失礼)

コナンのメインキャラクターは、軒並み何かしらに一生懸命になる(黒の組織の構成員ですら)。だから普段触れている人間性とのギャップに驚いているのかもしれない。

あらゆる物事に全力を出す必要はまったくない。でもなにかひとつでいい、ひたむきに向き合える人間は美しい。
周囲の選択に受け流されるのではなく、自分の道の先は自分で開拓する力を持ったキャラクターが好き。

言うは易く行うは難し。私、今は仕事も恋愛も家族付き合いも頑張ってないのによく言うよ。
推しごとは頑張ってるよ。

瓶詰地獄

瓶詰地獄 (立東舎 乙女の本棚)

瓶詰地獄 (立東舎 乙女の本棚)

すごい。言葉が読者の脳みそを愛撫してくる。
私にこの手の文才があれば、こういう暗喩のR作品を書き散らしたい。

漂流して無人島? に二人きりという特殊な状況下で、体が未発達の男女が共に成長すれば、お互いを意識し出すのはむしろ自然な流れだと思う。ストックホルム症候群って言葉もあるくらいだし。
兄妹はその感情を禁忌だと捉えたのね。兄はいささか処女を神聖視しすぎではないかね?

第三の手紙の内容が読解できなかった。
無機質で人間味のない文であることは確か。
これを書いた時点では、兄妹のどちらかは正気を失っている(性欲に喰い殺された)ということ?

読者は開封した順番で読まされるけど、書いた順番は第三→第二→第一ってことか! 他の方の感想で理解できた。二度読みが楽しめそうな作品。

超絶不運少女1 ついてないにもほどがある!

2話で一番問題なのは、サルを何日も捕獲できない大人たちだね……。
小山田さんだけは(恋愛面において)いい仕事をしていったけど。

嵐が人間に扮した死神ってことは、その甥とされているキリトもその関係者って考えるのが自然だけど……。
もしくは、記憶を改造されてるのかな? ひょっとして嵐とキリトが同一人物の可能性もあるか?

花をめぐる荒野とキリトの三角関係の匂いが濃い。
キリトは部屋が隣同士な分接触が多いから、荒野が劣勢になるんじゃないかと心配。
文章では可愛い系の男子として語られているキリトだけど、挿絵ではまったくそんな印象は受けなくて困惑した。

荒野はヒロインにはつっけんどんな態度なくせして、嫉妬心を隠そうとしていないのが小学生男児って感じ。あと3年したら化けるだろうなと思った。
幼馴染カップルに目がないので、個人的には荒野に頑張ってほしい。
サル捕獲作戦でヒロインを守った荒野は格好よかったぞー!

私さっきから恋愛面の話しかしてないな。

「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。

プロが謳う文章術を学ぼうと思って読み始めた。でも大半はとっくに実践しているテクニックが書かれていた。
文章を書き終えたら推敲すること、ひらがなと漢字のバランスを気にすること、中学生でも分かる言葉を使うことなどなど……。

ものすごく意地の悪い言い方をすると、文章が書けない人は、この程度のことをいちいち教えてもらわなきゃ気付けないのか? という感想。
周りに趣味で小説やブログを書いている人が多いから、「できて当たり前」の基準が異様に高いのかもしれない。

逆に言えば、プロが心掛けているのも超基本的なことでしかないってことだろうか。

「ブログやSNSでは2~3行で改行する」「書き出し6パターンを使ってみる」「本文を書き始める前に、先に見出しをつけておく」は新しくインプットしたテクニック。実践したい。

桜の森の満開の下

桜の森の満開の下 (立東舎 乙女の本棚)

桜の森の満開の下 (立東舎 乙女の本棚)

男自身何人も斬り殺している極悪人なのに、女の「首遊び」が猟奇的すぎて男の悪事の濃度が薄まっているから怖い。首遊びシーンの挿絵が最小限に留めてあるのは出版社の温情だろうか。
皮肉だけど、男は女に出会ったことで死を悼むという人間らしい感情を知ったように思う。

月夜とめがね

月夜とめがね (立東舎 乙女の本棚)

月夜とめがね (立東舎 乙女の本棚)

こちょうは訪ねる家をどんな基準で選んでいるんだろう、などという疑問を抱くのは無粋なんだろうなあ。
きっとおばあさんのような、損得勘定をせず相手の立場に寄り添える人間のオーラがこちょうには見えるんだよ。
げみさんの幻想的な色づかいが、文章を引き立てている。

赤とんぼ

赤とんぼ (立東舎 乙女の本棚)

赤とんぼ (立東舎 乙女の本棚)

思うに、作中の「お嬢さん」は、作者の新美南吉のなにか(あるいは誰か)に対する感情が具現化された存在ではないか。登場する「赤とんぼ」は新美南吉自身ではないか。
ストレートに言葉にするには憚られる気持ちを言語化して、できあがった作品がこれ、のような気がする。
妄想です。