読書記録

読んだ本の感想まとめ。

リボンの男

リボンの男

リボンの男

バランスの良い夫婦が描かれている。

でも、小さい世界へ向かうことでも人間は成長するならば、その方向を示す大人だっていた方がいい。

俯瞰して全体を見渡すことが苦手な人間なので、下手な自己啓発本を読むよりよほど救われた。仕事でも人間関係でも、小さい世界でいいのだ。小さい世界が集まって集団になり、街になり、地域になり、国になっていくのだ。

外来種駆逐への違和感を主人公が的確に表現してくれて、得心した。行政には外来生物の駆除よりも先に、教育費とか医療費に予算を割いてほしい。

シュフを性別によって漢字を書き分けることについて違和感を覚えたことはなかったので、ちょっとしたカルチャーショックだった。看護婦→看護師みたいに、男女関係なく「家庭において家事や育児のメインを担う者」を呼称する言葉ができるといいけど、家事も育児もどちらかに負担がかかりすぎるのは考えものだから「シュフ」って立場自体が時代に逆行してないかとも思う。この先どんな言葉に変容しても、批判は出るんだろう。

ラストでタイトルの意味が明かされる。タロウの言葉のセンスがとても素敵。主夫の皆さんは「リボンの男」を名乗ったらいいと思う。