読書記録

読んだ本の感想まとめ。

新しい世界の伝記 ライフ・ストーリーズ6 ジェーン・グドール

何よりもチンパンジーの共食いに関する記述が印象的だった。温厚なイメージがあるけど、土地や権利を争って延々殺し合ってきた我々人間と限りなく近い遺伝子情報を持つのであれば納得できる。

1980年代は、動物園ではチンパンジーは一頭ずつ飼育されていたのか。日本でも? 本当に独房と変わらない。集団生活をする生き物にはある程度社会性があると思うんだけど、それを封じられるのは、あるいは食べ物にありつけず飢えることより辛いかもしれない。人間だって、外出を禁じられ、電話やインターネットなど外界との連絡手段をすべて取り上げられた部屋で一ヶ月も暮らしてみろ、自分だったら人生を自主終了させない保証ができない。

没年が書かれていないと思ったら、また存命だった! 確かに伝記に故人の縛りはない。

初版がつい最近のシリーズだけど、人物の選出理由が謎。キング牧師アンネ・フランクと読んできた感じでは、社会活動家として歴史に名を刻んだ人を選んでいるのだろうか。