読書記録

読んだ本の感想まとめ。

〆切本

〆切本

〆切本

一番笑ったのは大岡昇平で、一番泣いたのは長谷川町子であった。高田宏には憐憫が、吉村昭北杜夫には畏敬が湧いた。

旧仮名遣いが多用されているページを読むと、そんな時代から〆切に喘いだ作家はいたのだと青息吐息。少なくともこの本に寄稿された作家陣の中では、〆切の何日も前に脱稿する人は少数派だったらしい。担当編集者と印刷所の苦労が偲ばれる。同人作家が、極道入稿を正当化する材料にこの本を使わないことを願うばかりだ。